2007 Fiscal Year Annual Research Report
シロアリの振動シグナルを用いたコミュニケーション制御に関する研究
Project/Area Number |
19580197
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
大村 和香子 Forestry and Forest Products Research Institute, 木材改質研究領域, 主任研究員 (00343806)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高梨 琢磨 独立行政法人森林総合研究所, 森林昆虫研究領域, 主任研究員 (60399376)
鈴木 養樹 独立行政法人森林総合研究所, 木材特性研究領域, 室長 (90353739)
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Keywords | シロアリ / 振動シグナル / 振動パターン / コミュニケーション / 社会性昆虫 |
Research Abstract |
本研究では、シロアリが巣仲間とのコミュニケーションに用いる振動パターンを解析し、この振動パターンを人工的に合成し投与することにより、「集団」としてのシロアリの行動を制御することを目的とする。本年度は、主として比較的大型のシロアリ種を供試し、警戒時の振動シグナルの解析および一部高速度カメラによる振動パターン解析を行った。 ネバダオオシロアリの営巣しているアカマツ材に加速度センサを取り付け、材に衝撃を与えることによりコロニーを撹乱させ、兵蟻が警戒時に発生するタッピング音を木材媒介振動としてデータ収録し解析を行ったところ、交信周波数帯は500Hz以下であり、基本周波数はそれ以下であることが推察された。次に、先と同様にネバダオオシロアリ営巣材に衝撃を与えてコロニーを撹乱させ、兵蟻のタッピング音を音声レコーダで直接録音した。周波数解析を試みたところ、基本周波数は100Hz以下であることが明らかとなった。 アメリカカンザイシロアリについては、営巣材からシロアリを取りだしシャーレに入れて、シャーレの底面外側へ加速度センサを取り付け、職蟻のゆすり行動による微小振動をデータ収録し解析を行ったところ、ネバダオオシロアリ同様、交信周波数帯は500Hz以下であり、基本周波数はそれ以下であることが推察された。さらに高速度カメラにより職蟻のゆすり行動を観察・記録した。ゆすり行動の振動パターンの画像解析を試みた結果、基本周波数は約50Hzと計測できた。しかし、当該機での記録は高輝度光源が必要のため、高輝度の光によりシロアリの動きが活発化し行動が撹乱された危険性があり、次年度以降、低輝度でも観察・記録可能なシステムを利用して再試し確認する必要がある。
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