2008 Fiscal Year Annual Research Report
シロアリの振動シグナルを用いたコミュニケーション制御に関する研究
Project/Area Number |
19580197
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
大村 和香子 Forestry and Forest Products Research Institute, 木材改質研究領域, 主任研究員 (00343806)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高梨 琢磨 独立行政法人森林総合研究所, 森林昆虫研究領域, 主任研究員 (60399376)
鈴木 養樹 独立行政法人森林総合研究所, 木材特性研究領域, 室長 (90353739)
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Keywords | シロアリ / 振動シグナル / 振動パターン / コミュニケーション / 社会性昆虫 |
Research Abstract |
本研究では、シロアリが巣仲間とのコミュニケーションに用いる振動パターンを解析し、この振動パターンを人工的に合成し投与することにより、「集団」としてのシロアリの行動を制御することを目的とする。 本年度は、数種類のシロアリに対して様々な外部刺激を投与した場合に、各シロアリ種が巣仲間とのコミュニケーションに用いる振動行動を種々の方法で計測し、そのパターンおよび周波数解析を行った。研究手法として高速度カメラを用い、シロアリが頭部を基質に打ち付けるtapping行動および体軸方向に体をゆするtremulation行動を記録し、各々の振動パターンを種間および階級間で解析・比較した。 その結果、tappingおよびtremulation行動における周波数および振動パターンは、シロアリの種類により大きく異なることが明らかとなった。tremulation行動に関しては、イエシロアリでは、外部刺激投与直後では15〜20Hzの振動を2.2秒行い、これを繰り返した。ヤマトシロアリでは振動周波数はイエシロアリと同程度であったが、頭部の最大変位量がイエシロアリでは約500μmに対して、ヤマトシロアリは約100μmであった。ネバダオオシロアリは、10〜25Hzの振動を0.7秒行い、これを1秒間隔で繰り返した。ネバダオオシロアリにおけるtapping行動は、tremulation行動と同様に15〜20Hzの振動を繰り返すが、頭部の相対距離はtremulation行動では行動開始時に大きく、その後小さくなるのに対して、tapping行動では行動中ほぼ一定であった。また頭部相対距離は職蟻より兵蟻の方が大きいが、振動パターンおよび周波数には明瞭な違いは認められなかった。
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Research Products
(9 results)