2008 Fiscal Year Annual Research Report
分子生態学的アプローチによるワカサギにおける生活史分岐の実態解明
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19580200
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
池田 実 Tohoku University, 大学院・農学研究科, 准教授 (70232204)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片山 知史 独立行政法人水産総合研究センター, 中央水産研究所浅海増殖部, 主任研究員 (30224455)
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Keywords | ワカサギ / 生活史分岐 / 分子生態 / DNA多型 / 耳石 / 微量元素 / ミトコンドリアDNA / マイクロサテライトDNA |
Research Abstract |
19年度にワカサギで開発したマイクロサテライトプライマーは、集団遺伝学的解析に対して充分な多型性を示さなかった。そのため今年度(20年度)の交付金額の一部を21年度に繰り越し、新たなマーカー開発ならびに近縁種(Delta Smelt)で開発された24のマイクロサテライトプライマー(Fisch et al., 2009)を適用することを試みた。その結果、新たに開発したプライマーセットにおいても充分な多型性がみられなかったが、近縁種のプライマーセットでは24セット中、12セットで変異が検出され、アリル数は2-32個(平均:14.2個)、平均ヘテロ接合体率(He)は0.098-0.942(0.668)と集団遺伝学的解析に対して充分な多型性を示した。我々とFisch et al (2009)の開発手法では対象としたマイクロサテライトの繰り返しモチーフが異なっており、ワカサギに対しても彼らと同様のモチーフを対象とすればもっと効率的良く多型性の高いマーカーを得られたのかもしれない。しかし、近縁種のマーカーであっても有用であることは確実なので、今後はこれらのマーカーを用いて湖内におけるワカサギの生活史分岐および地理的な遺伝的分化について検討を行うこととした。
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[Journal Article]2008
Author(s)
池田実
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Journal Title
DNA分析で見えてきた内水面移殖の新たな問題,「水産資源の増殖と保全」(北田修一・帰山雅秀・浜崎活幸・谷口順彦 編著)(成山堂書店)
Pages: 105-127
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