2008 Fiscal Year Annual Research Report
アグロバクテリウムを用いた海産プランクトンへの高効率な遺伝子導入法の開発
Project/Area Number |
19580206
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
足立 真佐雄 Kochi University, 教育研究部自然科学系, 教授 (70274363)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 浩平 高知大学, 教育研究部自然科学系, 教授 (50211800)
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Keywords | 遺伝子導入 / 形質転換 / プランクトン / アグロバクテリウム / 微細藻類 / 珪藻類 |
Research Abstract |
本研究は、様々な海産プランクトンへ適用可能な、高効率な遺伝子導入法を開発することを最終的な目的としている。まず、昨年度構築したアグロバクテリウム用遺伝子導入プラスミドをアグロバクテリウムに形質転換させ、これを用いて、無害な羽状目珪藻Cylindrotheca fusiformisに対し、一般的に用いられる感染条件のもとで遺伝子導入試験を行ったところ、形質転換体を得ることは出来なかった。そこで、本菌の感染誘導物質である糖類やフェノール化合物の濃度や、感染させる細菌濃度、温度や照度等の条件を変化させ、再度感染試験を行ったが、いずれの条件のもとでも、形質転換体を得ることが出来なかった。そこで、海産藻類感染性ウイルス由来プロモーターを用いることにより、幅広い藻類種に適用可能な形質転換系の開発を試みた。まず、海産珪藻Ckgetoceros debilisに感染するDNAウイルスの遺伝子上流領域より、プロモーターを含むDNA断片を増幅した。同断片、抗生物質耐性遺伝子、および内在性ターミネーターを、pBluescript SK-に連結させ、形質転換用プラスミドを構築した。これを、中心目珪藻Chaetoceros sp.あるいは羽状目珪藻Phaeodaetylum tricornutumに対しパーティクルガン法で撃ち込み、形質転換を試みた。その結果、目レベルを超えて、いずれの種に対しても形質転換が可能であることが判明した。本結果は、海産藻類ウイルス由来のプロモーターの形質転換系への適用事例として、世界で初めての成果であり、本成果を踏まえ、本年1月に特許出願(特願2009-013577)に至った。
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Research Products
(4 results)