2007 Fiscal Year Annual Research Report
日本海におけるガンギエイ類2種の生態と重要魚介類に与える影響
Project/Area Number |
19580218
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
谷内 透 Nihon University, 生物資源科学部, 教授 (00012021)
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Keywords | 日本海 / ガンギエイ / ドブカスベ / 分布 / 年齢と成長 / 繁殖 / 食性 / 安定同位体比 |
Research Abstract |
ドブカスベについては調査航海から得られた水平的及び垂直的な捕獲データから、水平的には山口県沖から北海道函館沖までの広い海域にほぼ連続的に分布すること、垂直的には水深135-1008mの広い水深帯に生息することが判明した。1100m以深では採集されなかった。各水域で体長組成に大きな差が見られないことから、サイズによる生息場所の違いは認められなかった。雌雄比は水深により異なるので、雌雄が別々の水深帯に生息している可能性がある。ドブカスベは多種多様な分類群の餌生物を補食しているものの、餌生物相対重要度指数で見ると魚類が図抜けて高く、本種は硬骨魚類を主要な餌生物としていることが判明した、ズワイガニ、スケトウダラ、カタクチイワシなど日本海における主要魚介類も数多く出現することから、本種が少なからず重要漁業対象種の資源に影響を与えている可能性がある。安定同位対比から見ると、本種は海域間で異なる食物連鎖系列に属している可能性が考えられた。一方、沿岸海域に分布するガンギエイでは、エビ類が最も多く出現し、次いで、魚類、カニ類、頭足類の順となった。若干体長の増大により、魚類等が増加する傾向が見られるものの、どの体長でもエビ類がもっとも多く出現した。椎体に見られる月別輪紋形成パターンを見ると、ドブカスベは3-5月に、ガンギエイでは9-11月に暗帯の出現率が最大となり、年1輪形成の可能性が高くなった。現在両種の性成熟と成長パターンを解析中である。
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Research Products
(4 results)