2008 Fiscal Year Annual Research Report
プロバイオティクスを用いたヒラメ種苗生産過程の衛生管理法の確立
Project/Area Number |
19580219
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
杉田 治男 Nihon University, 生物資源科学部, 教授 (50139052)
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Keywords | プロバイオティクス / ヒラメ / 種苗生産 / 衛生管理 / 乳酸菌 / Lactococcus lactis / Vibrio / 餌料生物 |
Research Abstract |
プロバイオティクスによる魚類の種苗生産過程における衛生管理について研究し、以下の結果を得た。 1.比較実験として、ナマズから分離した乳酸菌Lactococcus lactis subsp. lactisをキンギョに経口投与したところ、飼育水中の日和見感染菌であるAeromonas属細菌の生菌数が1〜3桁程度減少したことから、乳酸菌の経口投与が日和見感染菌の制御に有効であることが示唆された。 2.クサフグおよびナマズ由来の乳酸菌L. lactis subsp. lactisの性状を比較したところ、両者共に37℃で高い増殖速度を示したものの、前者は高塩分、高海水濃度でも高い増殖能を有することから、海水環境に適していることが判明した。 3.ヒラメの稚魚に海洋細菌Vibrio sp.を経口投与したところ、海水魚類の日和見感染菌であるVibrio属細菌(Vibrio sp.を含まず)の生菌数が1桁以上減少していることから、本菌がヒラメのプロバイオティクス菌として有効であることが判明した。 4.ヒラメなどの海産魚類種苗生産に餌料生物として普遍的に用いられるシオミズツボワムシとアルテミア耐久卵の細菌叢を平板法と16S rDNA塩基配列による同定法を組み合わせて行った。シオミズツボワムシでは、Flavobacterium sp.、Thalassospira sp., Pseudomonas sp.などが優占した。一方、アルテミア耐久卵にはBacillus spp.、Salana sp.、Psychro-bacter spp.などが優占したが、魚病細菌のVibrio属は検出されなかった。
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Research Products
(10 results)