2007 Fiscal Year Annual Research Report
前鰓類におけるレチノイドX受容体の機能解析:雄性生殖器の分化・成長との関係
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19580226
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
堀口 敏宏 National Institute for Environmental Studies, 環境リスク研究センター, 主席研究員 (30260186)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白石 寛明 独立行政法人国立環境研究所, 環境リスク研究センター, センター長 (10124348)
太田 康彦 国立大学法人鳥取大学, 農学部, 教授 (60069078)
西川 智浩 独立行政法人国立環境研究所, 環境リスク研究センター, 契約職員 (10391137)
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Keywords | 前鰓類 / インポセックス / 雄性生殖器 / 分化 / 成長 / レチノイドX受容体 |
Research Abstract |
有機スズ汚染が比較的軽微な茨城・平磯で2006年4月〜2007年3,月まで毎月イボニシを採集し、雄のペニス長、精巣重量及び頭部神経節重量を測定し、相対ペニス長(RP)、精巣重量指数(GSI)、相対頭部神経節重量(RG)を算出して季節変動を調べた。また組織標本を作製し、HE染色及びRXR抗体を用いた免疫染色を施した。4個体分のペニス、精巣及び頭部神経節の各組織をcomposite sampleとして、それぞれ5検体(20個体分)についてRXR遺伝子発現量(RXR gene)を定量的RT-PCR法を用いて測定した。雄のRPは4〜7月に増大したが、8月に3分の1程度に急減し、9〜10月に回復して、以後、概ね横ばいに推移した。 一方、GSIは4〜6月まで増大したが、7月から減少に転じて9月に最低水準となり、12〜3月に徐々に回復した。HE染色した組織標本でも、ほぼ同様の組織の発達と退行が観察された。平磯のイボニシは7〜8月に交尾・受精し、産卵すると考えられた。RGでは明瞭な経月変化が観察されなかった。一方、ペニスのRXR geneは4〜8月に上昇し、9月に横ばいとなり、10月に再上昇して、以後、3月まで漸減した。精巣及び頭部神経節のRXR geneはペニスにおけるそれの1/10〜1/5程度であり、経月変化は不明瞭であった。 イボニシ以外の種(レイシガイ、ヨーロッパチヂミボラ及びヨーロッパアラムシロガイ)のペニス、精巣、卵巣、消化腺及び頭部神経節にHE染色とRXR抗体による免疫染色を施し検鏡した結果、程度の差はあったが、いずれの種もイボニシと同様にRXR抗体で染色された。RXRは前鯉類の種に広く分布し、共通の機能を有していると考えられた。今後、輸精管の形成機序との関係や種差などについて検討を進める。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Exposure to 9-cis retinoic acid induces penis and vas deferens development in the female rock shell,Thais clavigera2008
Author(s)
Horiguchi, T., Ohta, Y., Nishikawa, T., Shiraishi, F., Shiraishi, H., Morita, M.
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Journal Title
Cell Biology and Toxicology
Peer Reviewed
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[Journal Article] Endocrine disrupting organotin compounds are potent jnducers of hnposex in gastropods and adipogenesis in vertebrates2007
Author(s)
Iguchi, T., Katsu, Y., Horiguchi, T., Watanabe, H., Blumberg, B., Ohta, Y.
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Journal Title
Molecular and Cell Toxicology 3
Pages: 1-10
Peer Reviewed
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[Presentation] Involvement of the retinoid X receptor in the development of imposex caused by organotin compounds in female gastropods2007
Author(s)
Horiguchi, T., Shiraishi, H., Nishikawa, T., Ohta, Y., Shiraishi, F., Cho, H.S., Nishikawa, J., Morita, M.
Organizer
DIOXIN 20071nternational Symposium
Place of Presentation
Tokyo(Japan)
Year and Date
20070900
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