2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19580235
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
荒木 利芳 Mie University, 大学院・生物資源学研究科, 教授 (40091368)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
苅田 修一 三重大学, 大学院・生物資源学研究科, 准教授 (90233999)
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Keywords | ウシケノリ / プロトプラスト / β-1.4-マンナン / β-1.3-キシラン / ポルフィラン / 蛍光 / Carbohydrate binding module / 細胞壁 |
Research Abstract |
我が国で広く養殖されている重要な産業用海藻であるアマノリの細胞壁はβ-1.4-マンナン,β-1.3-キシラン,ポルフィランというユニークな多糖で構成されている。しかしながら,本海藻細胞壁の構造に関しての知見は乏しいのが現状である。筆者はこれら3種類の多糖分解酵素の遺伝子をクローニングし,それらの塩基配列を解析した結果,いづれの酵素も多糖結合能を有する領域(CBM)を含んでいた。よって,本研究では蛍光標識したこれらCBMをプローブとして,アマノリと同じ科に属するウシケノリから単離したプロトプラストを用いて,細胞壁が構築される様子を観察し,細胞壁の構造に関する知見を得ることを目的とした。 本年度は2種類の蛍光CBMを構築した。β-1,4- マンナナーゼ-C(ManC)に存在するCBMをコードする遺伝子を蛍光色素CFP発現ベクターpRSET/CFPの,またβ-1,3-キシラナーゼCBM(TxyCBM)遺伝子をpRSET/BFPの制限酵素サイトに組み込み,宿主大腸菌BL21(DE3)pLysSを形質転換して,各蛍光CBMタンパク質(ManCBM/CFP,TxyCBM/BFP)を発現させ,得られた各CBMをNi-アガロースレジンで精製した。 構築した蛍光ManCBM/CFPと蛍光TxyCBM/BFPはそれぞれグリコールβ-1,4-マンナンとβ1,3-キシランに結合することが,蛍光顕微鏡で確認された。また,24時間培養したウシケノリプロトプラストと結合実験を行ったところ,TxyCBM/BFPの結合は観察されなかったが,ManCBM/CFPはプロトプラストの外周に結合することが確認された。今後はさらに蛍光アガラーゼCBMを構築するとともに,これら蛍光CBMを用いて,様々な時間培養したプロトプラストとの結合実験を通して,細胞壁が何時どのように形成されていくのかを調べていく予定である。
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Research Products
(2 results)