2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19580237
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
荒川 修 Nagasaki University, 水産学部, 教授 (40232037)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橘 勝康 長崎大学, 水産学部, 教授 (20171712)
高谷 智裕 長崎大学, 水産学部, 准教授 (90304972)
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Keywords | テトロドトキシン(TTX) / TTX結合性タンパク質(TBP) / Estradiol-17β(E2) / コモンフグ / トラフグ / メコンフグ / 麻痺性貝毒(PSP) |
Research Abstract |
まず、天然フグにおけるテトロドトキシン(TTX)の体内分布と性成熟の関連を明らかにするため、コモンフグを対象に組織別毒性の周年変化を調査するとともに、血液を介した組織間の毒の移行や、それへのTTX結合性タンパク質(TBP)の関与について検討した。その結果、雌の場合、通常は肝臓の毒性が高いが、性成熟期になるとこれに代わって卵巣の毒性が著しく上昇すること、血漿中でTBPと結合状態にあるTTX分子の割合(血漿TTX結合率)は、生殖腺発達期におしなべて高い水準(♀:87.2%、♂:80.9%)にあること、などから、有毒餌生物を摂取後、フグの腸管から吸収されたTTX分子は、通常では多くが遊離の状態で肝臓へ運ばれて同組織に取り込まれるが、生殖腺発達期になるとTBPと結合した状態で主に卵巣に運搬・蓄積されることが示唆された。一方、雌性ホルモンEstradiol-17β(E2)を投与した養殖トラフグに、さらにTTXを筋肉内投与する'投与実験'を実施したところ、E2投与区ではTTX投与直後に血漿TTX結合率が顕著に増え、これに伴って生殖腺への毒の移行量も増加した。従って、TBPあるいはその活性発現には雌性ホルモンが関与すると推察された。他方、同様の毒投与実験により、天然でTTXを保有するトラフグは麻痺性貝毒(PSP)に対する抵抗性が低く、少量のPSPを投与してもすぐに排泄するのに対し、天然で皮にPSPを保有するメコンフグは、PSPに対する抵抗性が高く、筋肉に投与したPSPは急速に皮に移行・蓄積することが明らかとなった。
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Research Products
(3 results)