2008 Fiscal Year Annual Research Report
海洋産アルカロイドをモデルとしたテロメラーゼ阻害分子の設計と合成
Project/Area Number |
19580238
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
石橋 郁人 Nagasaki University, 大学院・生産科学研究科, 教授 (10192486)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長富 潔 長崎大学, 水産学部, 教授 (40253702)
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Keywords | 海洋天然物 / ピロールアルカロイド / テロメラーゼ阻害活性 / ディクティオデンドリン |
Research Abstract |
ディクティオデンドリン類は、天草諸島近海産のカイメンから単離された硫酸エステル基を有するピロール型のアルカロイドであり、50μg/mL濃度で完全にテロメラーゼ活性を阻害することが知られている。本研究では、テロメラーゼ阻害に基づく新規抗ガン剤の開発のための基礎研究として、親化合物であるディクティオデンドリンの全合成を行い、新規合成ルートを開発すると共に、詳細な生理活性を調べるためのサンプルを供給する。さらに、親化合物の構造を変化させた誘導体、並びに構造類似の天然物(ポリシトン、プルプロン、ニンガリン)の硫酸エステル等の、ディクティオデンドリンのアナログの合成を行う。これまで、Hinsberg型のピロール構築反応と段階的な鈴木-宮浦クロスカップリング反応によるディク、ティオデンドリンBの全合成の鍵中間体となる3-アリールー4-(7-ヒドロキシインドールー3-イル)ピロール2,5-ジカルボキシレートまでの合成を行った。今年度は、鍵中間体ピロールの2位と5位への4-アルコキシベンゾイル基の導入、インドール2位へのシアノメチル化、及び分子内アルドール型反応による閉環反応などにより、ディクティオデンドリンの基本骨格であるピロロ[2,3-c]カルバゾール骨格の構築に成功した。本化合物はディクティオデンドリンの合成前駆体であるだけでなく、官能化が容易なシアノ基を配しており、その誘導体を含め生理活性に興味が持たれる。さらに、ディクティオデンドリンの類縁化合物としてテロメラーゼ阻害活性が期待できる硫酸エステル型デプロモポリシトンの合成を行った。これらの合成物の生理活性の測定に関しては今後検討を行う。
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Research Products
(7 results)