2007 Fiscal Year Annual Research Report
輸入米のニーズ形成とコメ市場の競争構造に関する日韓台比較
Project/Area Number |
19580245
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
伊藤 亮司 Niigata University, 自然科学系, 助教 (70334654)
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Keywords | MA米 / 原料米 / 米政策 / 加工産業 / 市場構造 / 国際比較 |
Research Abstract |
年度前半は、主に日本国内、後半は台湾・韓国における輸入米ニーズ形成についての実態調査を行った。 (1)輸入米ニーズの主体をなす加工産業における原料米ニーズについて新潟県内業者への聞き取り調査を行った。新潟県の米政策に対応して中小業者に国産米による差別化を目指す動きが進む。これらに関連して、新潟県の行政対応についての調査結果を『新潟自治』『泉田新潟県政の検証』に発表した。 (2)韓国および台湾の研究者と連携して、東京圏での全国団体調査および農水省での調査を行った。各業界団体も既存のルールを前提に大きな変化は望んでいないことが分かった。 (3)現在は、大きく育っているとはいえない消費者の輸入米ニーズについて、インターネットを通じたオープン型ネット調査により把握を試みた。その結果を『日本農業経済学会論文集』および『デーリィマン』に反映した。日本においては家庭用ニーズとしての輸入米はまだまだ未成熟であり、かつ、輸入米をできれば購入したくない意向は年齢層や国内農業についての経験や親近感によらない傾向を示した。 (4)台湾では、加工用・業務用に加えて、主食用にも多様な輸入米が受け入れられている実態が示された。日本米は良食味米として名が通っており、中でも新潟県産コシヒカリの認知度は高かった。加工用としては日本式米菓用にタイ産もち米が使用されていた。 (5)韓国では、日本同様、消費者のニーズが育っているとはいえず、やはり加工用メインで利用が進むが、日本との違いとして、外国人労働者への給食用長粒種米ニーズが一定ある点および原料原産地表示があるにも関わらず加工分野で国産米による差別化の進展が未だ見られない点が示された。韓国の場合、MA米の30%を主食用として供給する等、日本よりきびしい条件が課されている。 (6)韓国農村振興庁のセミナーで、研究成果を『日本における米加工産業の課題と展望』と題し報告した。
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Research Products
(5 results)