2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19580259
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
四方 康行 Prefectural University of Hiroshima, 生命環境学部, 教授 (20178859)
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Keywords | 集落営農組織 / 農事組合法人 / 企業の社会的責任(CSR) / 生産情報の公表 / 有機ビジネス / 農業環境政策 / 外部ベネフィット / 環境資産 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度に引き続いて、個別経営、すなわちミクロ会計の観点から、農業経営における環境会計構築について、これまでの研究成果を踏まえながら、まとめてきた。その成果が、「農業経営における環境会計の展望」(『農林業問題研究』44-3,2008年12月)として学会誌論文になった。一方、個別経営だけではなく、地域とのかかわりを問題としなければならないので、集落営農組織を中心に、環境会計との関連を考察した。それに関連して、「農事組合法人の財務諸表における環境会計の導入可能性についての考察」(『生命環境学術誌』創刊号、2009年3月)や「広島県における集落営農法人の経営と構成農家の発展」(『農林業問題研究』44-1,2008年6月)を共著で投稿した。 また、環境会計は、一般企業においては、特に大企業を中心に浸透し普及しているが、さらに、企業の社会的責任(CSR)という枠組みで考える必要があり、「食品企業におけるCSRと環境会計」を、学会発表し論文を作成中である。農業においては、畜産経営が地域とのかかわりや社会的責任において、安全・安心な畜産物を消費者に提供する必要があること、また、さまざまな認証制度の中での、農畜産物の生産情報の公表や、有機ビジネスの今日の進展も環境会計を考察する上で欠かせない。そのような背景において、「畜産経営における社会的責任と生産情報公開」と「有機ビジネスの展開」を共同で学会発表した。 以上から、農業におけり環境会計の構築は、環境情報の公表とともに、環境支払などの農業環境政策での利用、外部ベネフィット、環境資産などの評価・測定を通じて、農業活動の外部効果を政策的に評価していく役割を持つ。
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