2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19580259
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
四方 康行 Prefectural University of Hiroshima, 生命環境学部, 教授 (20178859)
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Keywords | ミクロ会計 / 環境会計 / 社会責任会 / トリプル・ボトムライン / CSR報告者 / 環境負債 / 環境資産 / 環境保全活動 |
Research Abstract |
本年度は、本研究の最終年度ということで、これまでの取りまとめと補足調査等を行った。昨年度に引き続いて、個別経営、すなわちミクロ会計の観点から、農業経営における環境会計構築について、これまでの研究成果を踏まえながらまとめてきた。 環境会計は社会責任会計から出発して、地球環境問題に焦点を絞り、現在のような発展をたどってきた。しかし、企業の社会的責任問題が食品の安全性等において現れ、消費者の食品に対する安全・安心意識が高まり、生産情報の開示が重要となる。そして、環境報告書が広く経済・環境・社会のトリプル・ボトムライン(3つの利益)を重視してCSR(企業の社会的責任)報告書、あるいはサステナビリティー(持続可能性)報告書に包含されてきている。このような現状を鑑み、農業経営においてもその社会的責任を問題にして、環境会計も論じる必要があり、食品企業におけるCSR及び畜産経営における社会的責任について論じた。 また、農業経営における環境会計の構築のために、簡単にパーソナルコンピュータで入力・出力をし、その結果を示し得るようなマニュアル作成を検討し学会発表した。その最終的な成果については、現在も、修正しながら継続研究している。 農業における環境会計では、一般企業とは異なり自然を相手にしたものであり、環境負債よりも環境保全活動の結果、将来的な収益が見込める環境資産の把握が重要と言える。そして、農業におけるわかりやすい環境効率指標を示していくことが、必要である。
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