2009 Fiscal Year Annual Research Report
南アジア諸国の経済自由化が農村貧困層に与える影響の実証的研究
Project/Area Number |
19580262
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Research Institution | Daito Bunka University |
Principal Investigator |
須田 敏彦 Daito Bunka University, 国際関係学部, 准教授 (00407652)
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Keywords | 南アジア / 経済自由化 / 農村経済 / 農村貧困 / インド / バングラデシュ / パキスタン / 経済発展 |
Research Abstract |
本年度は3年間の研究期間の最終年度にあたるため、計画されていた現地調査を遂行したほか、報告書等の作成に傾注した研究を行った。 8月から9月に行った現地調査では、インド西ベンガル州の調査村で補足調査を行い、州政府統計資料の収集を行ったほか、デリーにおいてデリー大学の研究者と意見交換(バングラデシュと西ベンガル州の比較)を行ったほか、かつて(1998年)現地調査を行ったハリヤナ州の調査村を訪問し、過去10年間で起きた村の変化について簡単なヒアリングを行った。首都デリーとの関係が深まりミルクの供給が増え、飼料作物としてのジョワール(ソルガム)の生産が盛んになったこと、職業構造が多様化し、非農業部門の重要性が高まったことが確認できた。また、10年前の調査では養鶏業が盛んであったが、大規模農場との競争に負け、農家レベルの小規模経営はほとんど消滅していた。このように、農業においても企業的経営が進み、農家間の競争が高まっていることが確認できた。続いて、パキスタンでは農村調査の本調査を行った。およそ200世帯の村でサーベイヤーとともに全戸調査を行い、農業の実態、海外出稼ぎを含む非農業就業の実態、資産状況、今後の展望などの情報を得た。また、小学校教師、村の医者、雑貨店の店主などを含む多様な情報提供者からヒアリングを行い、村の歴史、現状などについて情報を収集した。 本年度は最終年度であることから、これまでの調査結果を報告書や論文としてまとめることにも傾注した。それはまだ途中段階であるが、本年度の若干の成果報告は次ページのとおりである。 なお、本年度中には公表できなかったが、バングラデシュの研究成果を現在『アジア経済』誌に投稿中である。
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