2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19580265
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
小田切 徳美 Meiji University, 農学部, 教授 (10201998)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
図司 直也 法政大学, 現代福祉学部, 講師 (60442563)
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Keywords | 農業経済学 / 農村政策 / 中山間地域 / コミュニティ / 自治 / 農村政策 |
Research Abstract |
本研究では、中山間地域における「小さな自治」(地域自治組織)の機能と性格の解明を行い、今後の発展条件を明らかにすることを課題とした。より具体的には、(1)こうした組織が果たしている機能(様々な事業によって住民や地域に与える意義等)、(2)組織の構成や機構(全住民の自治組織としての可能性等)を解明し、(3)このような側面を強化・促進する制度的課題(法人格や税制)を実証的に提起することを目的とする。 2年目の本年度は、第1に、広島県安芸高田市川根地区で前年度におこなった濃密な実態調査(ヒヤリングおよび住民アンケート調査)について、より詳細な分析を行った。それにより、当該地区における小さな自治の展開過程を整理し、段階的な機能の積み重ねの中で、現在の生活から経済に至るまでの複合的な性格が生まれていることを明らかにした。 また、第2に、こうした分析結果を一般化するために、同市内における合計32の地域自治組織に関するヒヤリングを行った。設立時期は異なる組織であるが、機能の多様性や集落と地域自治組織との関係においては、ほぼ同様の実態を持っていることが明らかにされた。 そして第3に全国に生まれている中山間地域における「小さな自治」の事例収集を、各種表彰事業、新聞、雑誌等の情報および県庁担当部署からのヒヤリングにより行った。それの結果、全国的に見た場合の地域自治組織の多様な存在形態が明らかになった、安芸高田市で確認された多様な機能を発揮する組織のみでなく、単一の目的と機能の自治組織や、さらに集落ベースの活動に対する中間支援組織に近い性格を持つ組織の存在も明らかとなった。
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Research Products
(10 results)