2007 Fiscal Year Annual Research Report
食料輸出国の国内保護政策による輸出促進効果に関する計量経済学的研究
Project/Area Number |
19580267
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Research Institution | Wako University |
Principal Investigator |
小林 弘明 Wako University, 経済経営学部, 教授 (70329019)
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Keywords | 農産物貿易 / 国内保護政策 / 輸出補助金 / 世界貿易機関 / EU共通農業政策 / EUバイオエネルギー政策 / タイのバイオエネルギー |
Research Abstract |
アメリカおよびEUによる近年の農業保護政策の動向に関する文献サーベイを行った。バイオ燃料ブームによって両国・地域とも農業保護ないし輸出補助の必要性が低まる傾向にあることなどが明らかとなった。しかしこれら動向の評価としては,これまでの輸出補助を含む農業保護政策がバイオ燃料生産の振興政策に名目を変えつつ,農業部門を間接的に支援する政策措置であることに変わりはないと言える。ただしWTO上での整合性という点での問題の改善につながっていることはいうまでもない。また近年農業保護的な傾向を強めているとみられるタイを現地調査し,やはりバイオ燃料ブームによって穀物,砂糖,キャッサバにかかる政策費用が低下したこと,ならびに関連する状況について政策担当者および学識経験者からヒアリングするとともに意見交換を行った。飼料として穀物との競合関係が強いキャッサバの価格は高騰し,生産部門に対する政策支援の必要性は急速に低下した。ただし砂糖に関しては,2007年半ばから価格高騰が収まっており,タイにおける砂糖部門の政策動向は2006年以前の状況に戻っていると言える。いずれもバイオ燃料ブームと関連諸施策との関連を示唆する事例であると言える。上記諸施策の動向に大きな影響を及ぼしているとみられるバイオ燃料生産に関する現状を把握する目的で,タイおよびインドネシアを現地調査を実施するとともに,国際機関等が公表する文献等をサーベイした。また,関連する学会や研究会等に参加し,情報を収集した。
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Research Products
(2 results)