2009 Fiscal Year Annual Research Report
食料輸出国の国内保護政策による輸出促進効果に関する計量経済学的研究
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19580267
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Research Institution | Wako University |
Principal Investigator |
小林 弘明 Wako University, 経済経営学部, 教授 (70329019)
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Keywords | 農産物貿易 / 国内保護政策 / 輸出補助金 / 世界貿易機関 / EU共通農業政策 / タイのコメ政策 |
Research Abstract |
近年農業保護的な傾向を強めているとみられるタイの農業政策を対象とする現地調査および政策担当者・学識経験者からのヒアリングによりとりまとめた昨年度の研究成果をアップデートした。成果は農林水産政策研究所における研究会において口頭で報告した(2009年8月)。タイの農業保護政策の中心は、アメリカのマーケティングローンと同様の融資貸出制度(Pledging schemeあるいはMarket interventionなどとよばれる)であった。経済的弱者や地方・農民を支援する政策を推進したタクシン政権下で融資単価が引き上げられたことによって、実質的な部分管理・価格支持として機能する度合いが強まった。新政権ではさらに本制度からさらに農業保護的な価格保障制度を導入しつつある。 また2000頃にかけて農業保護的な傾向が強まったことを背景とするバイオ燃料生産の世界的な広がりをサーベイし、2009年5月にシステム農学会の招待講演において発表するとともに、同内容をとりまとめた論考を同学会誌に投稿した。掲載誌は2010年1月に発刊された。 さらに輸出補助を含む農業保護政策の輸出促進効果を、輸出補助金相当量として定式化する市場モデルを提示した。対象となる政策は関税などによる市場価格支持、不足払などの生産物直接支払およびデカップリングとよばれる各種の直接支払である。デカップリング直接支払の生産刺激度はデカップリング度とよばれる指標によって評価される。一つの数値例として、EUによる砂糖輸出における輸出補助金相当量を推計し、その金額はEUがWTOに通告する輸出補助金額を大幅に上回ることを明らかにし、研究成果をとりまとめた(2010年3月)。
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Research Products
(4 results)