2008 Fiscal Year Annual Research Report
経済指標及び満足度指標にもとづく地域格差の動向及び要因の解明
Project/Area Number |
19580273
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Research Institution | National Agricultural Research Organization |
Principal Investigator |
國光 洋二 National Agricultural Research Organization, 農村工学研究所・農村計画部・事業評価研究室, 研究室長 (30360390)
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Keywords | 住民満足度 / 地域経済格差 / ソーシャルキャピタル / 農村社会資本 / 共分散構造分析 / 地域の外部評価 / 農村振興施策 |
Research Abstract |
(1)県内の地域格差(市町村間)の動向と影響要因の解明 昨年度に引き続き,市町村データ・ベースをもとに,山形県及び山口県について,住民満足度の地域格差の影響要因に関する共分散構造分析モデルの高度化を図った。具体的には,所得水準に加えて各市町村の雇用状況のような社会経済的な要因を加味した経済指標を考慮するとともに,地域経済の集積指標や外部からの市町村に対する期待・評価指標をモデルに組み込んで推定し,モデルの推定精度を改善した。 分析の結果,経済指標とソーシャルキャピタルがともに,地域の満足度を高める要因として寄与しているものの,両者の間には,相互にマイナスの相関関係がみられ,その背後には,都市部における人口集積に伴うソーシャルキャピタルの毀損の状況が実証的に解明できた。 (2)農村地域振興施策に関するシミュレーション分析の準備 農村地域を対象に実施される農村振興施策(地域のNPOと農家が共同して農地、水、文化資源等の地域資源を保全する活動に対して支援する地域資源保全施策、都市・農村交流支援施策及び住民参加によるまちづくり等の助成施策等)をモデルに組み込む方法について検討し,関連するデータを収集整理した。 これらの実証研究の成果は,これまであまり分析されてこなかった住民満足度ベースの地域格差に関する重要なファクトファインディングスであり,地域格差緩和政策を立案する上で鍵となる要因の解明につながる。本成果を踏まえ,最終年度において有意義な政策提言ができると考えられる。
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