2008 Fiscal Year Annual Research Report
締固め土に封入された空気の挙動とその力学性への影響
Project/Area Number |
19580274
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
古賀 潔 Iwate University, 農学部, 教授 (70091642)
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Keywords | 締固め土 / 封入空気 / 間隙空気圧 / 間隙空気体積 / 非破壊測定 / 圧縮 / 溶解 / 測定法 |
Research Abstract |
本研究は締固めによって形成された土の構造に含まれる封入空気の挙動とそれが巨視的な力学性に及ぼす影響を解明することを目的としている。 具体的には, 封入空気の圧力を測定し, 続いて封入空気に起因する過剩間隙水圧の経時変化, 封入空気ならびに土全体の体積の経時変化, これらと離水現象(過剰間隙圧により土から水がしみ出す現象)の関係を実験的に明らかにし, モデルにより解析する。さらに, これら土の内部で進行する過程と土の巨視的な力学性の関係を調べる。 初年度は代表者が考案した「2段加圧法」の測定装置の製作と高精度化を行った。今年度はこれに加えて, 加圧装置の改良を行い, 従来50hPaまでであった発生圧力を75hPaまで拡大すると共に, 完全自動化をはたした。これにより, 2段加圧法を拡張した3段加圧方式が可能となった。このため, 一連の測定で4組の2段加圧法データが得られるようになり, 測定精度の評価と向上が可能となった。また, 加圧を長時間行って封入空気を間隙水に溶解飽和させることにより, 解析に必要な純粋な体積圧縮量を得ることができるようになった。測定結果の評価を行うため, 新たに「圧縮溶解法」を採用し, 2段加圧法の結果と照合した結果, ほぼ満足すべき結果が得られた。 今後は, 以上の様にして製作・改良した装置を用いて, 短時間で測定ができるようにするための解析方法の開発を行う。また多くの測定を行い, 装置の信頼性を検証すると共に, 締固め土の封入空気の挙動をさらに明らかにしてゆく計画である。
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