2009 Fiscal Year Annual Research Report
締固め土に封入された空気の挙動とその力学性への影響
Project/Area Number |
19580274
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
古賀 潔 Iwate University, 農学部, 教授 (70091642)
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Keywords | 締固め土 / 封入空気 / 間隙空気圧 / 間隙空気体積 / 非破壊測定 / 圧縮 / 溶解 / 測定法 |
Research Abstract |
本研究は締固めによって形成された土の構造に含まれる封入空気の挙動とそれが巨視的な力学性に及ぼす影響を解明することを目的としている。 具体的には,封入空気の圧力を測定し,続いて封入空気に起因する過剰間隙水圧の経時変化,封入空気ならびに土全体の体積の経時変化,これらと離水現象(過剰間隙圧により土から水がしみ出す現象)の関係を実験的に明らかにし,モデルにより解析する。さらに,これら土の内部で進行する過程と土の巨視的な力学性の関係を調べる。 今年度は2段加圧法における加圧方法および解析方法の改良を主に行った。すなわち,前年度は加圧を長時間(12日間)行って封入空気を間隙水に溶解飽和させることによって理論溶解量を求め,解析に必要な純粋な体積圧縮量を得ることができるようになったが,今年度は僅か3時間で同様の結果を得ることができるようになった。これは,加圧による溶解過程を一次元モデルで記述して得られる熱伝導型の支配方程式を誘導したことにより可能となった。すなわち,加圧直後の溶解量は時間の平方根に対して直線となることが理論的に示されたので,この性質を用いて得られた直線を時刻ゼロへ外挿して体積圧縮量を求めることができるようになった。この結果,封入空気の体積と圧力の経時変化が測定できるようになった。2種類の供試土について延べ10組,各組16日までの経時変化を測定した結果,いずれの場合も封入空気の圧力は僅かに正圧を示した。このことから,封入空気の曲率は間隙水へ向けて凸の形状であることが示唆された。
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Research Products
(2 results)