2007 Fiscal Year Annual Research Report
社会の持続的発展を目的とした農地環境基盤の強化とその利用に伴う水質保全機能の解明
Project/Area Number |
19580275
|
Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
石川 雅也 Yamagata University, 農学部, 准教授 (30313068)
|
Keywords | 農地整備 / 環境浄化 |
Research Abstract |
本年度は、食料と食糧の安定供給農地および水質環境保全農地として閉鎖型構造を有した汎用化水田に着目し、当農地の使用を前提として、その基礎的知見の蓄積を目的として行なわれ、野外埋設型ライシメータによる長期試験と恒温室での室内実験を行った。 具体的には、閉鎖型汎用化水田を想定した室内水質実験と野外栽培試験によって、転換畑地心土層内における地下水層帯での硝酸態窒素濃度予測式を導出することで、生物学的脱窒による窒素除去量を試算するとともに、現場への適用と検証を試みた。 また、土壌の窒素保持量が土壌水の窒素変動に与える影響の検討とともに、野外試験の生物学的脱窒量を収支法と積算法とで算出し、硝酸態窒素濃度予測式の導出を試みた。 この新しく導出された濃度予測式によって、転換畑地心土層内における地下水層帯での硝酸態窒素濃度が時間によりどう変化するかが求まる。さらに、実測値から得られた硝酸態窒素存在量と比較することで濃度予測式の検証を行った結果、予測値は実測値に対して71.5%の高い一致が認められた。 以上より、閉鎖型汎用化水田構造を有した転換畑地では、肥料成分の浸透流失による地下水汚染を防止できることが明確になったが、その前提要件として、心土層での生物学的脱窒能を高めるような水管理が必要であることを示した。
|
Research Products
(2 results)