2007 Fiscal Year Annual Research Report
農用流域の不確実な時空間降水量・流出量分布に関する地球統計学的高精度再現法の開発
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19580278
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
浜口 俊雄 Kyoto University, 防災研究所, 助教 (90263128)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小尻 利治 京都大学, 防災研究所, 教授 (00026353)
野原 小督 京都大学, 防災研究所, 助教 (00452326)
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Keywords | 水文パラメータ / 時空間分布 / 不確実性 / 流出解析 / 降水量分布 / 地球統計学 / GCM出力 / PUB |
Research Abstract |
当該年度においては,設備備品の時空間分布再現システムを導入利用し,水文パラメータの時空間分布再現を求めた.その際に降水量などの時空間分布を利用するが,レーダー観測降水などの実測データを扱う前に,モデルバイアスを含めた不確実性が或る程度評価できる時空間データのGCM出力をまず採用して,PUB問題に対応できるようなノウハウの取得を目指して検討に入った.最初に降水量分布を100km格子ベースのGCM出力を扱って対象試験流域(長良川流域や淀川流域)の流出解析を行った,その後,20km格子ベースのGCM出力の降水量分布に替えて再度同じ期間同じ流域で流出解析を行った.ただし,その際,GCM出力から実観測に近い値にするための統計的ダウンスケーリングを行い,同分布のバイアス(不確実性の一種)を取り除いている.その結果,水文パラメータの不確実性がGCM出力の格子間隔で大きく異なる事が分かった.よって,条件付きシミュレーション等の地球統計学的分布再現を用いられれば,降水量時空間分布の不確実性,さらには,その利用に関わる水文パラメータ時空間分布の不確実性が取り除けると期待できることが分かった. また地球統計学以外の方法を用いれば,どの程度の不確実性の減少効果があるかについても試して確認した.具体的には,過去の計測データの蓄積による事例ベースを活用した推定手法であるTCBMを用いて調べた.すると,データベースにおいて未経験と判断される状況が発生すれば,対応しきれずに"外挿的な推定"になってしまう点に問題があることがわかり,そこをシミュレーションによって得た疑似計測値を用いて実測値として代用することで対応させたHydro-TCBMからある程度の不確実性に留めた結果が得られるようになった.
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