2009 Fiscal Year Annual Research Report
畑地かんがい用パイプラインの安全対策の最適化に関する研究
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19580282
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
稲垣 仁根 University of Miyazaki, 農学部, 教授 (30325732)
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Keywords | 自然流下系パイプライン / 自動減圧弁 / 定流量弁 / 安全弁 / 低圧化システム |
Research Abstract |
従来のパイプライン設計では、パイプラインの中間地点で定流量弁により流量を制御することは、バルブ下流側の流れを乱し、エアーの混入などトラブルの原因になると考えられていた.そのため、定流量弁はパイプラインの末端に設置し、2次側は大気に開放するように設計されていた。一方,管理者側から、パイプラインの上流側で流量を一定に制御したいという要請があり、定流量弁をパイプラインの中間地点に配置する事例も多くなっている。 そこで、本研究においては、パイプラインの中間位置に制御方法の異なる流量固定型と流量可変型の直動式の定流量弁を設置して,通水時の安定性について比較検討を行った。また、新型と従来型の自動減圧弁を上流側に設置し、流量固定型と流量可変型の定流量弁を下流側に設置して組み合わせ、現地水理実験の実施により自動弁の組み合わせによる通水時の安定性や自励振動の発生のついて検証を加えた。 (1) 定流量弁をパイプライン中間地点に設置する場合の流量制御機能について 管路圧力の変動に対して、定流量弁の流量制御機能は速やかに追従するが、減圧弁の下流側に下り勾配の延長の長い管路を有する場合は、圧力の低下による負圧やキャビテーションが継続して発生する。しかし、管路圧力が低下し、定流量弁の下流側で負圧を生じた場合でも、流量制御機能は作動する。定流量弁の機種の違いにより、流量制御に違いが現れるが、その差は僅かであり、実用上は特に問題はない。ただし、キャビテーションの発生が継続することは、弁体の摩耗、損傷を招くので、下流側の勾配を一部で立ち上げるなど縦断計画を工夫する必要がある。 (2) 自動減圧弁と定流量弁を設置する場合の振動発生について 通水時において、減圧弁と定流量弁との間で自励振動を生じていないので、減圧弁と定流量弁の直列配置については、特に使用を規制すべき要因は認められない。
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Research Products
(5 results)