2007 Fiscal Year Annual Research Report
水域ネットワーク内の淡水魚類動態を考慮した水路魚道の開発
Project/Area Number |
19580284
|
Research Institution | Ishikawa Prefectural University |
Principal Investigator |
一恩 英二 Ishikawa Prefectural University, 生物資源環境学部, 准教授 (10320912)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北村 邦彦 石川県立大学, 生物資源環境学部, 教授 (80070853)
上田 哲行 石川県立大学, 生物資源環境学部, 教授 (30184930)
|
Keywords | 水路魚道 / 回遊魚 / 魚類動態 / 水域ネットワーク / 落差工 |
Research Abstract |
トミヨのための階段式魚道は、(1)各プール間の段差は約3cm、(2)隔壁の下部に潜孔(幅15cm×高さ10cm)を設けるなどの条件がこれまでの研究で明らかになっている。この結果に基づいて、石川県羽咋郡志賀町の二つの仮設魚道において,トミヨの遡上調査を実施した.その結果,1年間に合計66尾のトミヨの遡上が確認された.遡上のピークは7月下旬から8月上旬であった.予想より少ない遡上数であり,魚道下流水位の変動が予想以上に大きかったことが原因と考えられる. また,熊田川上流部の湧水地では,ドジョウカゴを設置して,トミヨの遡上数を調査した.3,4,5月に遡上が多くなり,6,7月には未成熟魚の遡上が多くなる傾向があった.熊田川流域の水理環境調査では,春と秋には最上流の湧水地から下流まで水温がほぼ一定になる時期があることが明らかになった.また,冬季の透明度は一部を除きほぼ全調査地点で100cm以上となることも分かった. 水理模型実験では,トミヨ魚道の流速分布を電磁流速計,ドップラー流速計,PIV(粒子画像流速測定法)という3つの方法で測定した.3つの計測法はそれぞれ長所・短所があり,それぞれ補完しあいながら研究を進める必要があることが分かった.本年度は,メダカ,ギンブナ,カワムツなど,トミヨ以外の魚を用いて実験を主に行った.その結果,トミヨ魚道においては,メダカの遡上は困難であること,ギンブナ,カワムツは遡上可能であったが,プール内流速が小さすぎるため滞留しがちであることが分かった.トミヨ魚道の細部形状の検討は完了しておらず,H20年度も研究を継続する予定である.
|
Research Products
(2 results)