2007 Fiscal Year Annual Research Report
高品質ミカンの安定生産に寄与する灌概システムに関する研究
Project/Area Number |
19580285
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
堀野 治彦 Osaka Prefecture University, 生命環境科学研究科, 教授 (30212202)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中桐 貴生 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 助手 (80301430)
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Keywords | ミカン / 高品質 / 灌漑諸元 / 土壌水分 / 葉の水ポテンシャル / 蒸発散 |
Research Abstract |
ミカンの地域ブランド登録が認定された有田地域では、消費者のブランドに対する信頼を維持するためにも高品質なミカンを毎年安定的に生産することが重要な課題となっており、これに対処するための一手段として灌概システムの見直しが望まれている.本研究では、マルチより土壌面蒸発や過度の雨水浸入を制御した上での少量頻繁灌慨,すなわち、ある種のPrecision Farming的な綿密水管理が有効であり、灌水の適時適量に資するアプローチ法の提案が重要と考えた.そこで、本年度は有田地域の4果樹園内それぞれに1本ずつの調査木を選定し、新しい広灌概システム(計画)の諸元確立に関わる調査を以下のように開始した. (1)4つの調査果樹園として、山腹に展開する3園及び平地に展開する1園を撰定し、土壌の体積含水率を経時的に計測するためのTDRセンサーを深度別(原則、5、15、25.40、55cm深)に埋設し、モニタリングを開始した.また、埋設に先立って、各土壌に対するTDR用のキャリブレーションを作成するための試験も行った. (2)各果樹園における土壌の基礎特性(土壌水分特性曲線,密度、間隙率など)に関する調査分析を行うとともに、有田市一帯のミカン園における土壌特性の情報収集を行った.特に、土壌水特性曲線は灌概水量の推定に大きく関与する重要な情報であることから、van Genuchtenのモデルにより近似しど土壌水分ポテンシャルと含水率の関数関係を整理した. (3)有田地域内にある果樹試験場において観測されている気象素をもとに、Penman法を用いて蒸発散位の推定を行った. (4)果樹葉の水ポテンシャルの経時変化(およそ1時間ごと)についての集中計測をミカン品暫に影響度の高い時期において3回実施した. (5)樹園地、樹木ごと、収穫された果実の品質調査を行った.
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Research Products
(1 results)