Research Abstract |
本研究は,エンジンの燃費向上や園芸ハウス内における排ガスによる雰囲気の汚染防止技術として,エンジンと電動モータの二っの動力源を備え,状況に応じて動力源を切り換えて走行するハイブリッド式農作業4輪車を開発することを目的とした。本車の特長は,機体の低重心化をはかるため,機体下・左右車輪の問に密閉式鉛電池(12V,60Ah)を4個搭載していること,伝動機構を簡略化するため,車両の後輪及びトレーラの車輪にホイール・イン・モータ(190W)をそれぞれ2個,合計4個装着していることである。したがって,4輪車単体では2WD,トレーラを連結すれば4WDを選択できるようになっている。また,長い航続距離を得るため,エンジン発電機により電力を補いながら走行できるレンジエクステンダ方式とし,電圧降下時(28V→21V)には自動で発電用エンジンが始動し充電を開始する。発電機によって発電された電力を外部へ取り出して電動作業機を駆動する電力供給機能もある。 先ず,電圧降下に伴う自動充電機能のテストを行った。ここでは電圧降下促進のため,自動車用電球(12V,55W)8個,440W消費させた。その結果,約150分後に電圧が21Vに降下すると同時に発電用エンジンが作動することを確かめた。次に,車両単体が2WDにて走行したときの1回の充電で走行可能な距離を求めた。その結果,無積載,車速0.63m/s時の走行電力は187W,したがって、搭載バッテリ(容量2880W)のみの走行で約35kmとなった。また,作業機使用には,2.8kWの作業電力が使用可であった。トレーラ連結(4WD)時における走行電力に関しては,車両とトレーラの駆動系がそれぞれ単独で働くため,車両はトレーラ側から押される傾向となり,4WD時のトータル電力は2WDに比べて小さくなった。
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