2008 Fiscal Year Annual Research Report
乳汁免疫グロブリンGの能動免疫調節機能の解明と利用技術の開発
Project/Area Number |
19580307
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
大谷 元 Shinshu University, 農学研究科, 教授 (30109201)
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Keywords | パン酵母特異ヤギ乳IgG / アレルギー自然発症マウス / I型アレルギー / 酵母とそのIgGの経口投与 / アレルギー軽減作用 / Th1優位 / 免疫グロブリン / 獲得液性免疫抑制 |
Research Abstract |
平成20年度は,平成19年度に調製したパン酵母に対するヤギ乳IgGと免疫に用いたパン酵母をI型アレルギー自然発症モデルマウスであるNC/Ngaマウスの飼料に混合して与え,ダニ抗原でアレルギーを誘導し,アレルギー症状のやアレルギー関連パラメーターの分析を行うことにより,パン酵母とヤギ乳IgGがI型アレルギーモデルマウスにおいてアレルギー症状の発現を軽減するかどうかを調べた。まず,生後4週齢のNC/Ngaマウスを購入し,一週間の予備飼育後,パン酵母とそのヤギ乳IgGを含む飼料,並びにそれらを共に含まない飼料(コントロール飼料)で飼育したところ,飼育期間を通して,飼料摂取量,飲水量および増体重には両群間で有意な違いは見られなかった。本結果は,コントロール飼料群とパン酵母とそのヤギ乳IgG添加飼料群の間に栄養面やストレス面での有意な差はなく,本試験で得られた結果はパン酵母とそのヤギ乳IgGの生理的作用に基づくことを示唆している。一方,コントロール飼料群の半数に明らかにアレルギー症状が確認された時点で,両群のマウスのアレルギー症状を比較したところ,パン酵母とそのヤギ乳IgG投与群ではダニ抗原で誘導される耳介部分の腫れがコントロール群よりも弱いとともに,脱毛や出血等のアレルギー症状も弱いことが確認された。また,それら投与群はコントロール群と比べて脾臓のTh1型細胞数や腸管の免疫グロブリンレベルが低いことが確認された。以上の結果は,パン酵母とそのヤギ乳IgGの経口摂取は遺伝的にI型アレルギーモデルマウスにおいてアレルギー軽減効果があることを示している。
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Research Products
(6 results)