2009 Fiscal Year Annual Research Report
乳汁免疫グロブリンGの能動免疫調節機能の解明と利用技術の開発
Project/Area Number |
19580307
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
大谷 元 Shinshu University, 大学院・農学研究科, 教授 (30109201)
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Keywords | パン酵母特異ヤギ乳IgG / パン酵母とそのIgGの経口投与 / 後天的I型アレルギー / I型アレルギー軽減 / Th1 / Th2バランス / IgE産生細胞数 / 制御性T細胞 / 肥満細胞 |
Research Abstract |
平成21年度は、平成19年度に調製したパン酵母に対するヤギ乳IgGと免疫に用いたパン酵母を添加した飼料で、卵白アルブミン(OVA)でI型アレルギーを誘導したBALB/c系マウスを飼育し、そのマウスのアレルギー症状(後天的アレルギー)と免疫系をそれら無添加飼料(コントロール飼料)の場合と比較した。すなわち、パン酵母を免疫したシバヤギの乳からホエイを調製し、そのホエイを硫安分画することにより調製したパン酵母に対するIgGを含む分画と免疫に用いたパン酵母をそれぞれ0.025%(w/w)量添加した市販飼料で5週齢BALB/c系雄マウスを7週間飼育し、6週齢および8週齢時に水酸化アルミニウムゲルと共にOVAを腹腔内注射した。9週齢から週に3回OVAを鼻腔内に投与し、くしゃみの回数を調べた。その結果、パン酵母とそのヤギ乳IgG分画を含む飼料群は、コントロール飼料群に比べてくしゃみの回数が明らかに減少した。また、パン酵母とそのIgG分画添加飼料群の脾臓のTh2細胞数、抗原提示細胞数、IgE産生細胞数および肥満細胞数はコントロール群に比べて有意に減少し、逆にIL-10^+CD4^+(Tr1)細胞数は有意に増加することが示された。これらの結果は、パン酵母とそのヤギ乳IgGのマウスへの経口投与は後天的に誘導したI型アレルギーをTh1/Th2バランスの改善だけではなく、IgE産生能の低下、制御性T細胞の誘導、肥満細胞数の減少などを介して軽減することを示唆している。
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Research Products
(5 results)