2010 Fiscal Year Annual Research Report
新世界ウズラ及び旧世界ウズラにおける生殖細胞の移植とその発現
Project/Area Number |
19580308
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
小野 珠乙 信州大学, 農学部, 教授 (10177264)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅野 安信 帝京大学, 医学部, 助教 (70459311)
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Keywords | コリンウズラ / ニホンウズラ / ヒメウズラ / PCR / 実験動物 / プライマー / 胚培養 / キメラ |
Research Abstract |
実験動物は研究目的に応じてより多くの種が用意されていることが望ましいという見地から新世界ウズラに分類されるコリンウズラを実験動物として確立するために以下の研究を進めた。体外培養法を確立し,19.4%の孵化率が得られた。これにより,胚発生観察や発生工学的な胚操作を容易にした。外部形態の詳細な発生段階表を作成し,ニワトリの発生段階と一対一対応させた。これにより,コリンウズラの胚発生の各段階を孵卵時間による表記ではなく標準的なニワトリの胚発生の基準で表現することができるようになった。培養6時間より前から両者に発生進度の差が生じた。コリンウズラがステージ2になる頃にニホンウズラはステージ3付近に,ニワトリとは培養1日後からコリンウズラがステージ5になる頃にニワトリがステージ8~10と顕著な差が観察された。コリンウズラ種特異的プライマーの作出および性判別プライマーの同定を行った。コリンウズラゲノムでは約500bpの増幅産物が得られるがニホンウズラおよびニワトリゲノムからは得られないプライマーセット,およびコリンウズラとニワトリゲノムからは約500bpに,ニホンウズラゲノムからは約200bpに増幅産物が得られるプライマーセットを設計した。性判別においては,条件設定によりメスでは約400bpと約600bpに,オスでは約400bpに増幅産物が得られ,雌雄鑑別が可能となった。このことにより,コリンウズラと他の鳥類胚とのキメラ作成の上で細胞識別ができ,性判別も外部形態に頼ることなくPCRにより容易に識別できることになった。コリンウズラをレシピエントに,ニホンウズラをドナーに用い,胚盤葉細胞の移植によるキメラの作出を試み,PCRによりドナー由来のDNA産物が観察された。以上により得られたコリンウズラの基礎的な生物学的情報より実験動物としての有用性が期待される
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Research Products
(17 results)