2007 Fiscal Year Annual Research Report
ストレス緩和に伴う生理活性物質の変動解析による鶏の快適さの評価
Project/Area Number |
19580312
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
豊後 貴嗣 Hiroshima University, 大学院・生物圏科学研究科, 准教授 (40325361)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 正範 広島大学, 大学院・生物圏科学研究科, 教授 (20124802)
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Keywords | ニワトリ / 快情動 / 快適さ / ストレス緩和 |
Research Abstract |
本年度は、ストレス負荷による摂食関連ペプチドホルモンのmRNA量の変動を中心に調査を実施した。 1.単離ストレス:ストレス負荷10分後においてニワトリヒナの血漿コルチコステロン濃度は上昇し、30分後では対照区よりも高値ではあったものの低下することが示された。間脳CRFおよびAVTmRNA発現量は、コルチコステロン濃度と同様な変動をすることが認められた。しかし、NPYmRNA発現量については対照区と比較して有意な変化は認められなかった。一方、NPY中枢投与後にストレス負荷を行なった場合、間脳CRFmRNA発現量が低下する傾向が認められた。 2.暑熱ストレス:ストレス負荷15分後、ヒナの直腸温は上昇しNPYmRNA発現量も増加する傾向が認められたが、間脳CRFmRNA発現量および血漿コルチコステロン濃度いずれも対照区と比較して差は示されなかった。ストレス負荷30分後では、コルチコステロン濃度およびNPYmRNA発現量ともに対照区と比較して有意に高い値を示したが、間脳CRFmRNA発現量においては差は認められなかった。 3.絶食ストレス:24時間の絶食によって、ヒナの間脳NPYおよびAGRPmRNA発現量は増加し、POMCmRNA量は減少することが認められた。また、ストレスとの関係が指摘されているインスリンに関して、間脳におけるその受容体mRNAが肉用種ヒナで絶食ストレスによって高くなることが明らかとなった。 以上の結果から、ストレスあるいは生理条件によって測定対象となるペプチドホルモンが異なり、それらを十分に精査した上で次年度以降、ストレス緩和に伴う変化を追跡できる可能性が示された。
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Research Products
(3 results)