2007 Fiscal Year Annual Research Report
リグノセルロース材を飼料として利用するための白色腐朽性担子菌の培養条件の検討
Project/Area Number |
19580313
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
岡野 寛治 The University of Shiga Prefecture, 環境科学部, 准教授 (90074088)
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Keywords | 畜産学 / バイオマス / 菌類 / 飼料 / リグニン分解 |
Research Abstract |
サトウキビバガス、竹、スギなどのリグノセルロース材はわが国または世界中に大量に存在するにもかかわらず、リグニン含量が高いため、飼料には一部しか利用されておらず、有効な利用法が模索されている。本研究はこれらのリグノセルロース材の飼料価値を向上させるための培養条件、とくに温度と期間について検討すること目的とする。本年度は、まずサトウキビバガスに比べてリグニン含量の低いコーンコブミールにフスマを加え、Ceriporiopsis subvermisporaを接種し、28℃で1週間培養した後、32℃で4、8および12週間培養し、化学成分および消化性の変化を調査した。培地の残存量とその消化性から、8週間の培養で可消化栄養物の残存量が最も大きく、コーンコブミールの栄養価を改善するのに望ましい期間と考えられた。また、32℃という高温の培養によって、消化性向上のための培養期間が短縮した。さらに、サトウキビバガス・竹・スギでもC. subvermisporaを32℃で培養することにより、消化性向上のための培養期間が短縮した。また、フスマの添加はリグニン分解の促進に有効であった。そこで、C. subvermisporaは26から32℃が最適生育温度と言われているが、最高温度何度まで菌糸が生存または伸びるかを調査した。その結果、40℃で培養しても、その後32℃で培養することで菌糸の生育が確認された。このことから、熱帯、亜熱帯においても温度制御に経費をかけることなく、リグノセルロース材の消化性改善に有効な菌であることが確認された。
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