2008 Fiscal Year Annual Research Report
リグノセルロース材を飼料として利用するための白色腐朽性担子菌の培養条件の検討
Project/Area Number |
19580313
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
岡野 寛治 The University of Shiga Prefecture, 環境科学部, 准教授 (90074088)
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Keywords | 畜産学 / バイオマス / 菌類 / 飼料 / リグニン分解 |
Research Abstract |
サトウキビバガス、竹、スギなどのリグノセルロース材はリグニン含量が高いため、飼料には一部しか利用されておらず、有効な利用法が模索されでいる。前年度、スギに米ぬかを5%または10%添加して、Ceriporiopsis subvermisporaを培養した時に、米ぬか10%添加のほうが消化性改善効果は大きかった。そこでスギに米ぬかを10%し、20週間培養した培地の栄養価を、ヒツジを用いて測定した。その結果、TDNは31.9%であった。これは10週間と20週間培養の培地の栄養価でほぼ同一であったことから、培養中の酸素不足が悪影響したものと考えられた。培養が適正に行われでいれば、スギはイナワラとほぼ同様の栄養価となると考えられる。この試験で、スギ培地のインビトロの有機物(OM)消化率はイナワラより高かったが、インビボのOM消化率は低かった。一方、インビトロガス生産量(48時間培養)はイナワラに比ぺて低い値であった。さらに、サトウキビバガスにフスマを10%添加し、8週間培養した時の培地のTDNは61.9%であった。この値は牧草と同程度の値である。イナワラのインビトロOM消化率およびインビトロガス生産量が61.7%および168ml/g OMであったのに対して、サトウキビバガスではそれぞれ71.9%および207ml/g OMであった。前年度および本年度のコーンコブ、竹、スギ、サトウキビバガスのインビトロとインビボの試験結果を総合して考察すると、腐朽材の栄養価を推定するためには、インビトロガス生産量で評価することが望ましいと考えられた。
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