2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19580315
|
Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
向井 孝夫 Kitasato University, 獣医学部, 教授 (20229917)
|
Keywords | 乳酸菌 / 細胞接着 / 抗菌作用 / 抗ウイルス作用 / レクチン / 糖鎖 / Lactobacillus |
Research Abstract |
本研究では、細胞接着性乳酸菌の中から、抗菌と抗ウイルス作用を合わせ持つ新規な感染抑制作用を発現する"スーパー乳酸菌"を見出し、その感染抑制機構を明らかにすることで科学的根拠を得ること」を最大の目的とした。この目的のため、「(1)レクチン産生性乳酸菌が下痢ウイルスやCampylobacter jejuni、Helicobacter pyloriと同一の腸受容体へ結合することで、感染を阻止する(2)レクチン産生性乳酸菌がバクテリオシン様物質を産生し、抗菌、抗ウイルス作用を示しているとの仮説を立て、本申請計画を立案した。 実験を遂行した結果、Lactobacillus reuteriがH.pyloriの受容体の一つである硫酸化ガラクトースへの結合するタンパク性の成分を産生していることを見出し、そのタンパク成分がEF-Tuであることが示唆された。また、H.pyloriやC.jejuniは血液型糖鎖を認識して感染が開始することが報告されていたため、乳酸菌の血液型糖鎖認識性の評価系を構築することとした。本研究では、血液型遺伝子をCHO細胞に導入し、H(O)型糖鎖発現細胞を作出した。本細胞は、H.pyloriの特定の株が良く付着したので、評価系を構築することができたものと判断した。現在、本評価系を用い、有用な乳酸菌をスクリーニングを行っているが、本細胞に特異的に付着する乳酸菌は見出されていない。一方、乳酸菌約30株の中から、牛下痢の原因ウイルスであるBVDVに対して、抗ウイルス活性を示す菌株をスクリーニングした結果、EnterococcusやLactococcusに属する菌株が抗ウイルス活性を示した。今後、抗ウイルス活性の作用機序を明らかにする予定である。
|