2008 Fiscal Year Annual Research Report
リグノセルロースのセロオリゴ糖等による消化促進とメタン抑制の機構解明とその利用法
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19580317
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Research Institution | Nippon Veterinary and Life Science University |
Principal Investigator |
板橋 久雄 Nippon Veterinary and Life Science University, 応用生命科学部, 客員教授 (00280991)
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Keywords | セルロース / セロオリゴ糖 / ルーメン / メタン / 消化率 / プロトゾア / 飼料イネ |
Research Abstract |
サイレージ単独、またはサイレージ+濃厚飼料(8:2)を給与した育成牛にフマル酸を飼料の2%添加し、ルーメンからのメタン生成などに及ぼす影響を検討した。フマル酸の添加により、ルーメン液のアンモニア-N濃度は低下し、プロトゾア数も減少した。揮発性脂肪酸の中で酢酸の割合は低下傾向を示したが、プロピオン酸の比率は増加した。メタン生成量はいずれの飼料給与の場合にも10〜20%低下した。飼料の消化に及ぼすフマル酸の影響は認められなかった。 また、乳牛を用いてセロオリゴ糖の飼料添加(2%)がルーメン発酵と牛乳生産に及ぼす影響を検討した。添加により、ルーメン液のアンモニア-N濃度はやや低下し、揮発性脂肪酸の中で酢酸の割合は低下し、プロピオン酸の割合は増加する傾向が認められた。プロトゾア数とメタン生成はほとんど変化しなかった。乳量、乳成分(乳脂率、乳タンパク質率、乳糖率、無脂固形分率)にもセロオリゴ糖添加の影響は認められなかった。これまでの実験結果より、セロビオースは育成牛の飼料の消化と発育には促進効果があるが、メタン生成と牛乳生産には顕著な影響を及ぼさないと考察された。
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