2008 Fiscal Year Annual Research Report
サルソリノールによる反芻家畜の新しいプロラクチン分泌支配機構の解明
Project/Area Number |
19580321
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
橋爪 力 Iwate University, 農学部, 教授 (60124533)
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Keywords | サルソリノール / プロラクチン / 反芻家畜 / 下垂体 / 視床下部 |
Research Abstract |
反芻家畜のプロラクチン(PRL)分泌に及ぼすサルソリノール(SAL)の影響を明らかにするために、本研究はPRL放出因子の一つとして知られる甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)や、PRL放出抑制因子ドーパミンとの関係をin vivo及びin vitroで検討した。In vivoの実験では成熟雌シバヤギにSAL(5mg/kgBW)、TRH(1μg/kgBW)又はSALとTRHを同時投与し、投与1時間前から投与2時間後まで採血を行った。またスルピリド(ドーパミンのアンタゴニスト、0.1mg/kgBW)単独、スルピリドとSAL(5mg/kgBW)又はTRH(1μg/kgBW)を同時投与し、同様に採血を行なった。In vitroの実験ではウシの培養下垂体前葉細胞にSAL(10^-6M)、TRH(10^-8M)、SALとTRH、ドーパミン(10^-6M)、ドーパミンとTRH又はSALをそれぞれ添加し、培養液中に放出されるPRL量の変化を調べた。SALとTRHをヤギの頚静脈内に同時投与すると両物質によるPRLの相加的な放出が見られた(P<0.05)。またスルピリドとTRHを同時投与した時のPRL放出はスルピリド単独又はSALとの同時投与時よりも高かった(P<0.05)。ウシの培養下垂体前葉細胞にSALとTRHを同時添加してもPRLの相加的な放出は見られなかった。ドーパミンはSAL又はTRHにより誘起された下垂体細胞からのPRL放出を抑制した(P<0.05)。本研究の結果から、SALは反葛家畜のPRLを放出させること、またSALはTRHやドーパミンと相互的に作用してPRLの分泌を修飾することが明らかになった。
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