2008 Fiscal Year Annual Research Report
鶏新規サイトカイン腫瘍壊死因子様リガンド1Aの機能解析-効率的家禽生産への基礎-
Project/Area Number |
19580322
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 和昭 Tohoku University, 大学院・農学研究科, 助教 (80183440)
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Keywords | 応用動物 / 畜産学 / 免疫学 / シグナル伝達 / ストレス |
Research Abstract |
(1) 腫瘍壊死因子様受容体(TL)1A融合蛋白質および抗体を用いたTL1A機能の検証 TL1A融合蛋白質および抗体を作成し、鶏におけるTL1Aの機能を検証した。TL1A融合蛋白質投与により肝臓、脾臓のインターロイキン(IL)-1, IL-6, インターフェロン(IFN)-γおよびTL1Aの前炎症性サイトカインmRNAの増加を観察した。LPS投与ニワトリへのTL1A抗体投与は、LPS投与による急性期蛋白質と誘導型一酸化窒素の増加の抑制すること明らかにした。これらのことから、ニワトリTHAは炎症反応において、哺乳動物腫瘍壊死因子(TNF)-αと同等の作用を有することを明らかにした。 (2) TL1A受容体のクローニングとTL1A情報伝達機構の解析 TLIAの情報伝達機構を知る目的で、TNFの主要な受容体との結合能から検討することを試みた。すなわち、ニワトリ腫瘍壊死因子受容体(TNFR)1、2およびDcR3をクローニングしそれぞれの融合蛋白質を作成した後、TL1Aとの結合能を検討し、TL1Aはいずれの受容体とも結合することを確認した。さらに、CHO細胞へニワトリTNFR1、2およびDcR3を形質導入し、TL1Aを投与したところ各受容体を形質導入した細胞においてTL1A添加濃度依存的に細胞活性の低下を確認した。次に、肝臓、脾臓において、TL1A投与後のTNF-?の情報伝達核内転写因子NF-κB活性化によって誘起されるiNOS, COX-2mRNAの増加も観察した。これらのことから鶏TL1Aは哺乳動物TNFと類似した情報伝達機構により種々の作用を表すことを明らかにした。
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