2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19580325
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
島田 清司 Nagoya University, 生命農学研究科, 教授 (40065579)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 珠乙 信州大学, 農学部, 教授 (10177264)
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Keywords | 顕微授精(ICSI) / ウズラ / phospholipase Czeta (PLCzeta) / ストロンチウム / Ca^<2+> / 発生率 |
Research Abstract |
最近、世界で初めてウィルスによらないトランスジェニックニワトリの生産が遺伝子導入PGCキメラニワトリによって可能となった(Nature、2006 Etches group、米国)がその成功率はきわめて低い。したがって本研究では、哺乳類で有効な顕微授精(ICSI)技術をウズラ実験に応用する。「トランスジェニックニワトリの生産」に達するまでには「遺伝子導入、ICSI、受精卵培養発生、受精卵移植、孵卵、孵化」の諸過程を成功させたいが、このうち(1)低いICSI受精率の改善と(2)低いICSI受精卵の発生遅延を改善して健康な胚発生を確立する。人為的にウズラ卵細胞質内に5mMストロンチウム処理あるいはCa_2+を処理することによりICSIによる発生率が20-27%まで倍増した。 続いてウズラ卵細胞質内のCa^<2+>濃度を増加させる精子側の因子を同定するためウズラ精巣内精子細胞からphospholipase Czeta (PLCzeta)のcDNAを単離した。PLCzeta cRNA (60ug/ml)をウズラ卵子に3nl顕微注入し3時間体外培養を行なった結果、双方共に約60%で前核が形成された。単一円形精子細胞を単独でICSIしたウズラ卵は、24時間後の発生を指標とした場合に全く発生しなかったが、円形精子細胞とともに60ug/ml PLCzeta cRNAを注入することで46.7%の卵子が発生を示した。また、単一射出精子とともに60ug/ml PLCzeta cRNAをウズラ卵子に注入し、培養時間をこれまでの24時間ではなく72時間に延長したところ、PLC_ cRNAなしでICSIしたウズラ卵子は、15%の発生率を示し、発生ステージもV-VIIであつたものが、PLCzeta cRNAの賦与により、発生率は50%まで増加し、さらに発生ステージも放卵時に相当するステージXを越え、原条形成(ステージ6)まで進行した。
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Research Products
(3 results)