2008 Fiscal Year Annual Research Report
ウシ成長ホルモン分泌調節機構における覚醒・睡眠リズムの役割の解明
Project/Area Number |
19580333
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Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
粕谷 悦子 National Institute of Agrobiological Sciences, 脳神経機能研究ユニット, 主任研究員 (90355743)
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Keywords | ウシ / 成長ホルモン / 睡眠 / 神経伝達物質 / セロトニン / 視床下部 / 明暗環境 / リズム |
Research Abstract |
本研究の目的は、成長ホルモン(GH)に影響を及ぼす種々の要因のうち、特に明暗環境の変化やそれに伴って形成される覚醒・睡眠リズムや関連物質に着目し、これらがGH分泌に及ぼす影響を検討することで、ウシGH分泌調節機構の一端を明らかにすることであった。本年度は以下の実験を行った。ウシを12時間明期:12時間暗期の明暗条件に十分馴致し、脳定位手術により慢性的に留置した第3脳室カニューレ及びあらかじめ装着しておいた頚静脈カテーテルより脳脊髄液及び血液を1時間毎に24時間採取した。また、後頭部に小型加速度計を装着し、頭部の動きの加速度を連続して記録するとともに、赤外線ネットワークカメラを用いて録画を行い、ウシの行動を解析した。採取した脳脊髄液中のセロトニン及び血中のGH濃度はそれぞれ高速液体クロマトグラフィ及びラジオイムノアッセイで測定した。ウシGH分泌は24時間に4回の大きなピークを示し、一定のリズムを持つことが明らかとなった。ウシ後頭部におけるアクティビティカウントは、日中(明期)に高く夜間(暗期)に低い傾向を示した。 以上のことから、一定の明暗環境下で形成された活動リズムを持つウシにおいては、GH分泌に規則性が見られることが明らかとなったが、その規則性の成立に重要と思われる神経伝達物質の特定には至らなかった。
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