2008 Fiscal Year Annual Research Report
ヘパリン結合性EGF様増殖因子によるウシ子宮内膜細胞の増殖機構の解析
Project/Area Number |
19580335
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
木崎 景一郎 Iwate University, 農学部, 准教授 (40337994)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋爪 一善 岩手大学, 農学部, 教授 (10355737)
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Keywords | ヘパリン結合性EGF様増殖因子 / ヘパラナーゼ / マトリックスメタロプロテアーゼ / 子宮 / 胎盤 / 妊娠 |
Research Abstract |
ヘパリン結合性EGF様増殖因子(HB-EGF)はチロシンキナーゼ型受容体でるEGF受容体(EGFR)に結合することにより、さまざまな細胞に対して増殖効果や走化性を示す。近年、HB-EGFの活性化プロセシング機構にメタロプロテアーゼが関与していることが明らかにされ、ヒト栄養膜細胞の生存性や病態時の心筋細胞肥大のシグナル伝達に重要な役割を果たしていることが明らかにされている。ウシでは子宮内膜組織と栄養膜におけるHB-EGF及びその受容体の局在については報告されているが、妊娠に伴う発現動態やその機能的役割の詳細については全く検討されていない。 本年度は妊娠に伴う子宮内膜及び胎盤組織におけるHB-EGFとその受容体の発現動態を定量的リアルタイムRT-PCR(QPCR)で調べると共に, in situハイブリダイゼーション法に各遺伝子の局在の検討に着手した。QPCRの結果から, HB-EGF遺伝子の発現は妊娠のて経過に伴い子宮内膜組織で増加したが, 胎子側の絨毛叢や絨毛叢間胎膜では顕著な変動は認められなかった。一方, EGFR遺伝子の発現は子宮内膜において胎盤節を形成ずる子宮小丘で特異的に増加した。絨毛叢や絨毛叢間胎膜においても, 妊娠60日以降で増加する傾向であった。in situハイブリダイゼーション法にて妊娠60日齢の子宮内膜組織における各遺伝子の局在を検索したところ, HB-EGF遺伝子は内膜上皮や腺上皮, 子宮小丘の間質細胞に局在が認められた。EGFR遺伝子の発現も子宮小丘部位の間質細胞, 内膜上皮細胞に認めれた。さらに, in vitroの解析を進めるため, 発情期子宮から子宮内膜上皮細胞を分離して培養し, 本細胞における各遺伝子の発現をRT-PCR法にで調べた。両遺伝子共に, 本上皮細胞に発現していることが確認されたことから, 本細胞と既に確立済みの内膜間質細胞を使用することで, in vitroにおけるHB-EGF・EGFRシステムへのメタロプロテアーゼおよびへパラナーゼー相互作用の解析が可能と考えられる。
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