2009 Fiscal Year Annual Research Report
ヘパリン結合性EGF様増殖因子によるウシ子宮内膜細胞の増殖機構の解析
Project/Area Number |
19580335
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
木崎 景一郎 Iwate University, 農学部, 准教授 (40337994)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋爪 一善 岩手大学, 農学部, 教授 (10355737)
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Keywords | ヘパリン結合性EGF様増殖因子 / ヘパラナーゼ / マトリックスメタロプロテアーゼ / 子宮 / 胎盤 / 妊娠 |
Research Abstract |
ヘパリン結合性EGF様増殖因子(HB-EGF)はEGF受容体(EGFR)に結合することにより、さまざまな細胞に対して増殖効果や走化性を示す。近年、HB-EGFの活性化プロセシング機構にメタロプロテアーゼが関与していることが明らかにされ、ヒト栄養膜細胞の生存性や病態時の心筋細胞肥大のシグナル伝達に重要な役割を果たしていることが明らかにされている。ウシでは子宮内膜組織と栄養膜におけるHB-EGF及びその受容体の局在については報告されているが、妊娠に伴う発現動態やその機能的役割の詳細については全く検討されていない。 今年度はin situハイブリダイゼーション法により,発情周期および妊娠初期の子宮内膜,受胎産物におけるHB-EGF,EGFR遺伝子の局在を詳細に検討した。発情周期の子宮内膜組織では上皮細胞および間質細胞にHB-EGFの局在が認められ,妊娠初期(19および20日齢)では内膜上皮および腺上皮において,その発現が著しく増加した。一方,EGFR遺伝子の発現は発情周期子宮内膜の上皮細胞と間質細胞に僅かに認められたが,妊娠初期では主に内膜上皮に発現していた。さらに,HB-EGFとEGFR遺伝子は妊娠初期の子宮内膜だけでなく,胎膜においても発現が検出されたことから,胎子組織での細胞増殖および胎子-母体間の情報伝達に重要な役割を果たしていることが推察された。 HB-EGFの増殖効果に及ぼすヘパラナーゼおよびメタロプロテアーゼ系の関与を検討するため,artificial microRNA(miRNA)発現プラスミドの構築に着手した。まず,実験系検証のため,他遺伝子(POU5F1,IFNT)の発現プラスミドの構築およびノックダウン実験を実施したところ,効率よく目的遺伝子の発現を抑制することができた。本実験系を使用してヘパラナーゼおよびメタロプロテアーゼ系の関与を検討することが可能となった。
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Research Products
(3 results)