2007 Fiscal Year Annual Research Report
フォリスタチンファミリーの性状解析とその構造を基盤としたペプチド創薬
Project/Area Number |
19580336
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
新井 浩司 Tokyo University of Agriculture and Technology, 農学部, 助教 (70293016)
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Keywords | フォリスタチンファミリー / TGF-βスーパーファミリー / フォリスタチンドメイン |
Research Abstract |
本研究はTGF-βスーパーファミリー結合蛋白質であるフォリスタチンファミリー蛋白質の性状解析と、そのリガンド結合部位であると考えられているフォリスタチンドメインの構造を基にしたTGF-βスーパーファミリー阻害剤の開発を目的としている。フォリスタチンファミリーに属するフォリスタチンとFLRG蛋白質は、それぞれ3個および2個のフォリスタチンドメインをその分子内に含む。19年度の研究ではフォリスタチンとFLRGの各フォリスタチンドメインを大腸菌で発現させ、TGF-βスーパーファミリーに属するアクチビン、BMP7およびマイオスタチンと各フォリスタチンドメインとの結合をリガンドブロット法により検討した。その結果、フォリスタチンとFLRGは両者とも主に第ニフォリスタチンドメインを介してこれらのリガンドに結合していること、さらにFS1とFS3のリガンドに対する親和性はリガンドごとに差があることが明らかとなった。また、フォリスタチンはその分子内に塩基性領域を有し、その塩基性領域を介したヘパリンへの結合が、フォリスタチンの生物活性に重要であると考えられている。フォリスタチンの塩基性領域が単なるヘパリンへの結合によりフォリスタチンの生物活性に影響を与えているか否かを明らかにするため、塩基性領域を含まないFLRGのフォリスタチンドメインに塩基性ペプチドであるポリアルギニンを付加した蛋白質を作製した。この蛋白質の生物活性を評価することにより、ヘパリン結合とフォリスタチンの生物活性との関連がより明らかになるものと考えられる。さらにリガンド特異的な、あるいはより強いリガンド結合能を持つTGF-βスーパーファミリー阻害蛋白質を得ることを目的とし、フォリスタチンとFLRGのリガンド結合部位にランダムアミノ酸変異を施した発現ライブラリーを作製し、リガンドブロット法によるスクリーニングを実行中である。
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