2007 Fiscal Year Annual Research Report
ニワトリ筋ジストロフィー遺伝子の同定と発症機構の解明
Project/Area Number |
19580338
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
万年 英之 Kobe University, 農学研究科, 准教授 (20263395)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
向井 文雄 神戸大学, 農学研究科, 教授 (50093323)
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Keywords | ニワトリ / 筋ジストロフィー / 原因遺伝子 / 塩基配列 / 発現解析 / アミノ酸置換 / WWP1 |
Research Abstract |
本研究はニワトリ筋ジストロフィーの原因遺伝子を同定し、この疾患の発症機構を明らかにすることが目的である。これまでに、原因遺伝子をニワトリ第2染色体のq腕に位置づけ、ハプロタイプ分析によりその領域を1.2Mbまでに限定しており、この領域内に存在する7つの遺伝子がニワトリ筋ジストリフィーの原因候補遺伝子である。 本年度はまず、候補領域内に存在する7遺伝子、ATP6V0D2、 LOC420211、 WWP1、 MMP16、 LOC420213、 LOC420214、 LOC428367に対して、翻訳領域の塩基配列を疾患個体と正常個体で比較検討した。その結果、突然変異は4ケ所確認されたが、3箇所は同義置換であった。WWP1遺伝子に観察されたG1321A置換はアミノ酸をアルギニンからグルタミンに置換するものであった。 次いで、WWP1遺伝子に対するノーザン解析を各筋組織、心臓、脳、肝臓、腎臓、胚試みたところ、各組織によって多少の発現量差が認められたものの、mRNAサイズの違いや無発現などの動向は認められなかった。 これら塩基配列比較の結果から、WWP1遺伝子がニワトリ筋ジストロフィーの最有力原因候補遺伝子であることが示唆された。ノーザン解析において正常個体と疾患個体間で顕著な違いが認められなかったことは、アミノ酸置換変異を伴う変異を本疾患の原因とすることに矛盾しないと考えられた。特にこの変異はアルギニン(塩基性側鎖)からグルタミン(中性側鎖)に置換するものであることからも原因となる可能性が高いことが示唆された。 今後、組織免疫染色解析や酵母Two hybrid法などを用いた詳細な分析が必要である。
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