2007 Fiscal Year Annual Research Report
微小管結合蛋白質Spag5の機能解析と精巣形成不全症の遺伝子導入による救済実験
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19580350
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Research Institution | Nippon Veterinary and Life Science University |
Principal Investigator |
鈴木 浩悦 Nippon Veterinary and Life Science University, 獣医学部, 准教授 (50277662)
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Keywords | Spag5 / astrin / 精巣 / 不妊 / 精巣形成不全 / アポトーシス / 腎低形成 / 細胞増殖 |
Research Abstract |
本研究はSpag5/astrinの機能喪失型突然変異を有する精巣形成不全症ラットを用いて生体でのSpag5/astrinの生理機能を明らかにすることを目的としている。このことは精巣形成不全症ラットで生殖腺と腎臓の低形成および全身の成長遅延が生じるメカニズムを明らかにすることで達成できる。具体的には、胎生期から生後初期の発症ラットの生殖腺と腎臓を含む臓器の病態を、特に細胞分裂と細胞死の観点から精査し、正常ラットの臓器および組織を用いてSpag5の時空間的発現パターンを明らかにする。Spag5のトランスジェニックラットを作成してHGN系統と交配し、hgn/hgnラットでSpag5を過剰発現させることで表現型が救済されるか否かを調査する。これらの実験によりSpag5が真に精巣形成不全症ラットの責任遺伝子であることを立証でき、精巣形成不全症ラットの多面的な表現型のどの部分がSpag5の異常により直接引き起こされているのかを明らかにすることができる。本年度は胎生期から生後初期の発症ラットの精巣および腎臓で細胞分裂活性とアポトーシスの状況を調査した。発症の臓器ではアポトーシスの亢進と細胞増殖活性の低下を認めた。Spag5に射するペプチド抗体を作製し、免疫染色によるSpag5の局在化を試みたが、特異的な免疫反応が得られなかったので、相補的なRNAプローブによるin situ hybridizationを試行した。しかし、シグナル強度が弱いため、TSAなどの増感処理を検討する必要がある。精巣由来のcDNAから全長のSpag5をクローニングすることに成功したため、次年度はトランスジェニックラットを作成し、救済実験を行う予定である。
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Research Products
(7 results)