2008 Fiscal Year Annual Research Report
微小管結合蛋白質Spag5の機能解析と精巣形成不全症の遺伝子導入による救済実験
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19580350
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Research Institution | Nippon Veterinary and Life Science University |
Principal Investigator |
鈴木 浩悦 Nippon Veterinary and Life Science University, 獣医学部, 准教授 (50277662)
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Keywords | Spag5 / astrin / 精巣 / 不妊 / 精巣形成不全 / アポトーシス / 腎低形成 / 細胞増殖 |
Research Abstract |
本研究は、Spag5/astrinの機能喪失型突然変異を有する精巣形成不全症ラットを用いて、生体でのSpag5/astrinの生理機能を明らかにすることを目的としている。このことは、精巣形成不全症ラットで生殖腺と腎臓の低形成および全身の成長遅延が生じるメカニズムを明らかにすることで達成できる。具体的には、胎生期から生後初期の発症ラットの生殖腺と腎臓を含む臓器の病態を、特に細胞分裂と細胞死の観点から精査する。さらに、Spag5のトランスジェニック(Tg)ラットを作成し、HGN系統と交配し、hgn/hgnラットでSpag5を過剩発現させることで表現型が救済されるか否かを調査する。これらの実験によりSpag5が真に精巣形成不全症ラットの責任遺伝子であることを立証でき、精巣形成不全症ラットの多面的な表現型のどの部分がSpag5の異常により直接引き起こされているのかを明らかにすることができる。昨年度胎生期に遡って細胞分裂とアポトーシスの関与を解析したため、本年度はSpag5-Tgラットを作成した。正常ラットのSpag5遺伝子をCAGベクターにクローニングし、マウスの肝臓へ導入し、ラットSpag5の発現が誘導されることを確認した。次いでWistarラットの受精卵に遺伝子導入し、出生後PCRにて導入遺伝子の有無を確認した。結果的に、6匹で導入遺伝子が陽性であった。これらのラットをhgn/hgnの雌あるいは+/hgnの雄と交配し、+/hgnで導入遺伝子陽性個体を複数得た。これらを+/hgnの雄またはhgn/hgnの雌と交配し、PCRによる判定で、hgn/hgnで導入遺伝子を有する個体を複数得ている。精巣病態の救済に関して確実な判断を行うために、精子形成力開始する時期まで個体を維持する方針であり、次年度にこれらの動物の病理学的検索を行う予定である。
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