2007 Fiscal Year Annual Research Report
エキノコックス終宿主動物の感染早期における確定診断と感染犬届け出基準の見直し
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19580353
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
野中 成晃 Hokkaido University, 大学院・獣医学研究科, 講師 (50281853)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片倉 賢 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (10130155)
奥 祐三郎 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 准教授 (60133716)
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Keywords | エキノコックス / 多包条虫 / 終宿主 / 診断 / PCR / 犬 / DNA / COI |
Research Abstract |
多包条虫のミトコンドリアCytochrome Oxidase Subunit I(COI)領域の遺伝子情報が多いことから,我々はCOI領域に着目し,多包条虫のPCR診断に用いる特異的プライマーEmSP1-A/Bを構築した。しかしながら,特異性に問題が認められたため,G/C比を上げて改善したプライマーEmSP1-A'/B'を作成し,また,Hot start法をPCRに導入することによりPCRの感度と特異性を向上させた。次に,各種糞便内PCR阻害物質除去法を検討した結果,Qiagen DNA Stool Mini Kitが阻害物質の除去に最も効果的であることがわかった。 現行のエキノコックス終宿主に対するスクリーニング検査では,糞便内抗原検査の結果が陽性でも、虫卵排出前や軽度感染のため、虫卵DNAの検出が不可能な揚合がある。そこで,虫卵排出前の糞便からのDNA検出について検討した。11頭のビーグル犬に原頭節を投与し、感染後3週目まで経時的に採取した糞便からDNAを抽出し、PCRを行ったところ、エキノコックスDNA検出率は26〜73%と散発的であり,虫卵排泄前においてはおおむね半数の検体においてDNAが検出できないがわかった。虫卵排泄前におけるDNA診断の信頼性を向上させる目的で,6頭の感染犬に対して感染後14日目に駆虫薬プラジカンテルを投与し駆虫後の糞便を検査したところ,全頭からDNAが検出され,駆虫と組み合わせたDNA検出の有用性が確認された。
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Research Products
(12 results)