2008 Fiscal Year Annual Research Report
リポソームを利用した細胞内寄生性病原体感染症の予防・治療法の確立
Project/Area Number |
19580357
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
田島 朋子 Osaka Prefecture University, 生命環境科学研究科, 准教授 (90173145)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡来 仁 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (50175139)
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Keywords | リケッチア / Ehrlichia canis / リポソーム / 細胞性免疫 / 細胞内寄生性病原体 |
Research Abstract |
1.リポソーム封入抗原の作製:DH82細胞で培養したEhrlichia canisを、Sephacryl S-1000 superfineで精製後、超音波発生器で破砕した。破砕後、8,000xgで10分間遠心後の上清を抗原とした。得られた抗原1mgをリポソームに封入し、リポソームワクチンとした。 2.犬への感染:ビーグル犬(1歳、雌)4匹に、E.canisを静脈内接種により、感染させた。接種後、1週間で、末梢血細胞DNAを抽出し、PCRで感染が成立したことを確認した。 3.リポソームによる治療実験:感染後、3週間目に、PCRで感染の持続を確認、その後、2匹にリポソーム封入抗原を1日おきに3回、皮下接種した。他の2匹には、対照として、PBSを接種した。その後、1週間毎に、頸静脈より採血を行った。バフィーコートを集めた後、0.83%塩化アンモニウムで赤血球を破壊して得られた白血球からRNAを分離し、realtime RT-PCRでIFN-γ mRNAの発現を調べた。リポソームワクチン接種犬では対照に比べて高いmRNAの発現を認め、DNAを用いたPCRで、E.canisの減少を認めた。 4.結論:Ehrlichia canis破砕抗原をリポソームに封入してE.canis感染犬に接種したところ、末梢血白血球に対照より高いIFN-γ mRNAの発現を認めた。また、末梢血中のE.canis量の減少を認めた。これらの結果は抗原をリポソームに封入し、感染動物に接種することで、細胞性免疫を誘導し、細胞内寄生性病原体を排除できる可能性を示すものであり、治療への応用も期待されるものである。
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Research Products
(1 results)