2007 Fiscal Year Annual Research Report
牛クリプトスポリジウム症制圧に向けたリポソームワクチンの開発
Project/Area Number |
19580358
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
渡来 仁 Osaka Prefecture University, 生命環境科学研究科, 准教授 (50175139)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小岩 政照 酪農学園大学, 獣医学部, 教授 (90094820)
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Keywords | リポソーム / ワクチン / クリプトスポリジウム / ウシ / 粘膜免疫 |
Research Abstract |
本研究は、免疫担当細胞への抗原搬送能に優れるリポソームにpH感受性膜融合能を持たせ、牛クリプトスポリジウム感染症予防に効果的なpH感受性膜融合リポソームワクチンの開発を目指した基礎的研究を目的として行われた。平成19年度においては、pH感受性膜融合リポソームについて検討するとともに、pH感受性膜融合リポソームによる免疫誘導実験を行い、下記の研究成果を得た。 (1)pH感受性膜融合リポソームの調整: pH感受性膜融合脂質を新規に開発し、新規pH感受性膜融合脂質を再構成したリポソームの膜融合能を調べた。その結果、新規pH感受性膜融合脂質修飾リポソームは、高い膜融合能を示す事が明らかとなった。さらに、封入マーカーとしてFITC標識卵白アルブミン(FITC-OVA)を封入し、マウス樹状細胞株の細胞質内へのFITC-OVAの導入実験を行った。その結果、新規pH感受性膜融合脂質修飾リポソームは、樹状細胞質内へ効果的に封入抗原(FITC-OVA)を送達出来ることが示された。 (2)pH感受性膜融合リポソームによる免疫誘導実験 上記で明らかにされた樹状細胞内に抗原を送達できるpH感受性膜融合リポソームに、モデル抗原として卵白アルブミン(OVA)を封入し、免疫用リポソームを作製した。作製した免疫用リポソームをマウスに経鼻投与し、免疫応答について調べた結果、全身のみならず粘膜局所にも免疫を誘導出来る事が示された。また、誘導される免疫応答について解析した結果、液性免疫のみならず細胞性免疫の誘導が確認された。 以上の結果から、免疫応答を効率良く誘導できるpH感受性膜融合リポソームワクチンが開発できる可能性が示された。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Preparation and cytotoxic activity of poly(ethylene glycol)-modified poly(amidoamine)dendrimers bearing adriamycin.2008
Author(s)
Kono, K., Kojima, C., Hayashi, N., Nishisaka, E., Kiura, K., Watarai, S., and Harada, A.
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Journal Title
Biomaterials 29
Pages: 1664-1675
Peer Reviewed
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