2007 Fiscal Year Annual Research Report
ボツリヌスC・Dモザイク神経毒素の持つ特異構造の解析と診断法の開発
Project/Area Number |
19580360
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
小崎 俊司 Osaka Prefecture University, 生命環境科学研究科, 教授 (10109895)
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Keywords | ボツリヌス菌 / 神経毒素 / 受容体 / ガングリオシド / ボツリヌス症 |
Research Abstract |
ボツリヌスC型、D型毒素とC・Dモザイク毒素の性状を比較した。牛ボツリヌス症に由来するD/Cモザイク毒素は最も高い致死活性を持っていた。C、D、C/DおよびD/Cの各神経毒素遺伝子の塩基配列から、4種類のプライマーセットを調製し、それぞれの神経毒素産生菌を区別する方法を確立した。毒素のC末端領域(H_c)のリコンビナント蛋白を調製し、受容体に対する結合活性を確認後、受容体認識部位の特定を行うために種々の変異体を作製しだ。C型H_cではA型およびB型にも存在する3種のアミノ酸残基とC型に特異なアミノ酸残基が受容体であるガングリォセドGT1bへの結合に関与していることを明らかにした。D型毒素はリン脂質であるフォスファチジルエタノールァミン(PE)に特異的に結合する。D型でPEに対して親和性が異なる2種のH_cから種々のキメラ体、あるいはC型とD型のキメラ体を調製し、それらのPEに対する結合活性および親和性を詳細に調べた。その結果、PEへの結合に関与するH_c領域はC型のガグリオシド認識部位より上流にあり、親和性決定づける部位に2つのリジン残基が関与していることを明らかにした。この結果は低親和性のD型H_cの上述の部位に相当する部分をリジンに置換することで高親和性に変化することで確認できた。これらの成績は、ボツリヌヌ神経毒素が型間で異なる膜構成成分を受容体として利用し、多様な分子相互関係を構築しながら作用を発現していることを示唆している。
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Research Products
(2 results)