2007 Fiscal Year Annual Research Report
犬におけるパピローマウイルス関連皮膚疾患の病理学的並びに分子病理学的解析
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19580365
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
古林 与志安 Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine, 畜産学部, 准教授 (20301971)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 高峯 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (40111116)
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Keywords | 犬 / 色素性表皮母斑 / 表皮過誤腫 / パピローマウイルス / パラフィン材料 / PCR / アクチン / ベータグロビン |
Research Abstract |
本研究では、特定犬種に好発し、稀にしか発生のみられない犬色素性表皮母斑(CPEN)関連パピローマウイルス(PV)の生物学的意義をより一層明確化するとともに、皮膚腫瘍の多い犬社会におけるPVの意義(皮膚腫瘍とPVとの関連性)を明らかにすることを目的としている。本研究では、研究材料の大半をパラフィン材料に依存しており、ウイルスの関与の有無の検討するためには、パラフィン材料での遺伝子の保存状態を正確に把握し、PV関与の有無を多角的に評価する必要がある。従って、本年度は基礎となるパラフィン材料での遺伝子の保存状態を把握するために、先ずパラフィン材料を利用した内在遺伝子であるαアクチンおよびβグロビン遺伝子検出系を確立した。続いて、CPENの特徴所見である表皮の肥厚と表皮内色素沈着がみられるパグとミニチュア・シュナウザー以外の犬種を含む13例のCPENおよびCPEN様皮膚病変を検索し、我々がクローニングしたCPEN関連PVが本邦の犬のCPEN病巣に広く関与しており、それはパグとミニチュア・シュナウザーに限らないことが明らかとなった。また、免疫染色、PVの複数の遺伝子を対象としたPCR検索および内在遺伝子のPCR検索によるDNA保存状態の評価を併せて行うことにより、病巣へのPVの関与をより正確に評価できることが示されるとともに、本邦で発生のみられるCPENにはその他のPVも関与している可能性があることを明らかにした。
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