2008 Fiscal Year Annual Research Report
分娩後早期肉用牛における卵胞吸引を併用した排卵同期化処置・定時人工授精と再授精法
Project/Area Number |
19580367
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
大澤 健司 Iwate University, 農学部, 准教授 (90302059)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 統一 岩手大学, 農学部, 助教 (20241490)
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Keywords | 黒毛和種牛 / 排卵同期化処置 / 定時人工授精 / 卵胞吸引 |
Research Abstract |
黒毛和種牛における分娩後早期(21〜30日)からの経腟卵胞吸引と排卵同期化・定時人工授精(TAI)法の有効性を内分泌動態、排卵同期化率ならびに受胎率の点から証明すること、および初回のTAIで不受胎と診断された個体に対する再度の排卵同期化処置・TAIの有効性を明らかにすることを目的として18頭を供試し、処置開始時にGnRHを投与する群(GnRH群 : n=9)および経腟より直径3mm以上の卵胞を吸引除去処置する群(卵胞吸引群 : n=9)の2群に分けて試験を実施した。これらの処置直後から睦内留置型プロジェステロン製剤を7日間装着し、抜去時にPGF_<2α>を筋肉内投与、48時間後にGnRH投与、その18時間後にTAIを実施した。処置初日をDay 0とし、Day0, 4, 7, 9, 11, 17, 24, 31に超音波検査により卵巣を観察するとともに採血して血漿中ステロイドホルモン濃度を時間分解蛍光免疫測定法により測定した。TAI後26日前後に妊娠診断を実施し、不受胎牛には再度の処置・TAIを実施した。その結果、1回目処置のTAI前日における主席卵胞の直径および血中プロジェステロン濃度は両群間で有意差は認められなかった。血中エストラジオール-17β濃度は卵胞吸引群と比較してGnRH群で個体間のバラツキが大きかった。排卵同期化率、初回TAI受胎率および2回目TAI受胎率はGnRH群でそれぞれ89%、33%および50%、卵胞吸引群でそれぞれ100%、56%お、よび25%であった。以上より、処置開始時の卵胞吸引は卵巣反応が安定していること、GnRH投与ど比較して同等以上の排卵同期化率ならびに受胎率が期待できること、および再度の排卵同期化処置・TAIを開始した場合にも、ある程度の受胎率が得られることが明らかになった。
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